ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第4836208号:「LPA」、指定商品・役務:第9類、第12類の各商品の商標は、

 

 登録第5400138号商標:

 

 「A」とおぼしき欧文字の中央に家のような図形を配したものの右側に「LPA」の文字が続く構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2015-009924号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は、特定の意味合いを表すものとして知られているものではないから、一種の造語として看取されるものである。」

 

 よって、

 

「その構成文字に相応して「エルピーエー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 

 一方、引用商標の図形部分は

 

「図形が結合された特徴的な「A」の文字として理解されるというのが相当である。」

 

「そして、その図案化された「A」の文字とこれに続く「LPA」の文字は、全体としてまとまりよく、一体的に表されているものである。」

 

 そうすると、引用商標は、

 

「「ALPA」の文字を表したものとして認識されるものであり、その構成全体に相応して、「アルパ」又は「エーエルピーエー」の称呼を生ずるものである。」

 

「また、「ALPA」の文字は、特定の意味合いを表すものとして知られているものではないから、一種の造語として看取されるものであり、これよりは特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで、両者と対比すると、外観は、

 

「両商標は、その構成態様と文字構成において、特徴的な「A」の文字の有無という明らかな差異があるほか、色彩や書体も異なり、外観上、明らかに区別できるものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標からは、「エルピーエー」の称呼を生じ、引用商標からは、「アルパ」又は「エーエルピーエー」の称呼を生ずるところ、該「エルピーエー」の称呼と「アルパ」の称呼との比較においては、それぞれの音数及び構成音の相違により、称呼上明らかに聴別できるものであり、」

 

「また、該「エルピーエー」の称呼と「エーエルピーエ−」の称呼との比較においては、称呼において重要な語頭の「エー」の有無により、称呼上、明らかに聴別できるものである。」

 

 観念は、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、両商標を比較することはできない。」

 

 よって、非類似の商標とみるのが相当である、とされました。

 

 

 今回は、図形と文字とが結合した商標との類否が問題となりました。

 

 図形といっても文字を図案化したものは、文字として認識できるとされる場合が多いです。

 

 図から文字が読み取れるかどうかが真似柄とは言わせないツボになります。

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