ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

横長長方形の全体の面積のうち、上から約4分の3を橙色地で表し、残余の下部約4分の1をれんが色地で表してなり、上部の橙色地の部分の中央に、同じ書体・同じ大きさ・等間隔で横書きにした「MERX」の欧文字をれんが色で大きく表し、さらに、下部のれんが色地の部分の中央に、同じ書体・同じ大きさ・等間隔で横書きにした「メルクス」の片仮名文字を白色でやや小さく表した構成の登録第5281405号は、「Merck」、「MERCK」の欧文字又は「メルク」片仮名文字より成るもの並びに「MERCK」の欧文字と図形等から構成される引用商標と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶審決に対して審決取消訴訟(平成23年(行ケ)第10190号)が提起されました。

 

 その判決を紹介いたします。

 

 

 本商標と引用商標の外観を比較すると、

 

「MER」又は「Mer」の部分の綴りは共通するものの,上記各文字部部分を一語として全体的に見た場合,綴りが異なることは明らかです。

 

 片仮名商標の場合でも、「メルク」の部分が共通するものの、両者は4文字ないし3文字の比較的少ない文字数から成るものであり,「ス」文字の有無が外観全体に与える影響は大きいこと,片仮名文字部分「メルクス」は同じ書体・同じ大きさ・等間隔で横書きされていることに照らすと,片仮名文字部分「メルクス」は需要者に一体として看取されます。

 

 また、称呼を比較すると、末尾において「ス」の音の有無の差異があり、差異音「ス」(su)の子音(s)は,舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦子音であって,構音上,例えば,破裂音(p.b.t.d.k.g)等の音に比した場合,響きの弱い音として聴取されるものとしても,「ス」の音の有無の差異は,本件商標と引用商標のように4音対3音といった比較的短い構成音からなる称呼に与える影響は大きい。

 

 そして何よりも,日本語の「ス」は「U」の母音を伴うもので,通常「S+U」と発音され,これが「メ」「ル」「ク」「ス」の4音のみから成り観念を持たない単語において,各音を一つ一つ明確に発音する可能性が高い音の一つとなっていることからすれば,両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは,全体の語調・語感が異なるものとなります。

 

 両商標のアルファベット文字部分についてみても,末尾が「クス」と発音される本件商標と末尾が「ク」と発音される引用商標とでは,「X」と「CK」の文字の相違があり,アルファベット発音に慣れてきている日本人にとってこの文字の違いによる発音の相違は一般化しています。

 

 こうして、引用商標とは非類似であると判断されました。

 

 

 4文字ないし3文字の比較的少ない文字数から成る商標の場合には、1字違いであってもその影響力は大きいものになります。

 

 構成文字数を少なくできればいいですね。

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