ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5781632号:「TORBAL」の欧文字をやや斜体にして横書きしてなる構成、指定商品・役務:第25類の「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」の商標は、

 

(1)登録第4080176号商標:

 

 「トバル」の片仮名及び「TOBAL」の欧文字を上下二段に書してなる構成

 

(2)登録第4196890号商標:

 

 「TOBAL」の欧文字及び「トバル」の片仮名を上下二段に書してなる構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2015-006792号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「欧文字は辞書類に掲載の認められない一種の造語といえるものであるから,我が国において広く親しまれている英語風の読みに倣い,その構成文字に相応して「トーバル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標1は、

 

「当該各文字は辞書類に掲載の認められない一種の造語といえるものであって,上段に書された片仮名が,欧文字の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく判断し得るものであるから,その構成文字に相応して「トバル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 また,引用商標2は,

 

「当該各文字は辞書類に掲載の認められない一種の造語といえるものであって,下段に書された片仮名が,欧文字の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく判断し得るものであるから,その構成文字に相応して「トバル」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 ここで両者を比較すると、外観は、

 

「それぞれの構成態様に照らし,明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できるものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標は「トーバル」の称呼を生ずるものであるのに対し,引用商標は「トバル」の称呼を生ずるものであり,称呼における識別上重要な位置である語頭の「ト」の音において,長音の有無という差異を有するものである。」

 

「そして,両称呼は,4音と3音という短い音構成からなるものであって,しかも,本願商標の称呼は長音の前に位置する「ト」の母音「o」が強調されるように発音されるものであるのに対し,引用商標の称呼は長音を含まず各音が平坦に発音されるものである。」

 

「そうすると、両称呼は,上記の差異が,称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを一連に称呼するときは,全体の音調,音感が異なるものであるから,両商標は,称呼上,明らかに聴別できるものである。」

 

 観念は、

 

「両商標はともに特定の観念を有しないものであるから,観念については比較することができず,観念上,類似するとはいえないものである。」

 

 として、その外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、一文字違いの商標の類否が問題となりました。

 

 商標全体の音構成が短い場合には一文字違いであってもその差の影響は大きくなります。

 

 短い音構成にすることが真似とは言わせないツボになります。

「TORBAL」はこうして商標登録された関連ページ

メディキノコはこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「バケッ塔」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ハウスブレーン」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「XDSKIN」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロシャワー 」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ドクターフィッシュカフェ」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「Veeco」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「jna」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「IGUIDE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「オルガノサイエンス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「LASEE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロテアス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。