ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5778564号:灰色で表した「MORE」の欧文字をモチーフに「O」の文字上の7時の方向に青丸を配して図案化した構成、指定商品・役務:第11類の「家庭用オゾン発生式空気脱臭装置,その他の家庭用電熱用品類」の商標は、

 

 登録第910904号商標:

 

 ローマ字3字を大文字のみで同じ書体、同じ大きさにより一連に「MOA」と表してなる構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2015-000730号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「その構成中の「MORE」の欧文字が「もっと大きい。もっと多い。」の意味を有する広く親しまれた英語であることから、これより、英語の発音である「モーア」及び「モア」の称呼が生ずるものであり、また、「もっと大きい。もっと多い。」という観念が生ずるものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「ローマ字3字を大文字のみで同じ書体、同じ大きさにより一連に「MOA」と表してなるところ、該文字は、「ランダムハウス英和大辞典 第2版」(小学館発行)によると「モア,恐鳥;モア目モア科Dinornithidaeの無翼のニュージーランド産絶滅鳥の総称」の意味を有する英語として掲載されているものの、該語が我が国において特定の意味合いを有する成語として一般に親しまれたものとはいい難いものであることから、これよりは、特定の観念は生じないと判断するのが相当である。」

 

「そして、該文字は、その3つの大文字を一文字ずつ区切って発音する場合には、「エムオーエー」の称呼を生ずるものであり、また、我が国において親しまれたローマ字読みに倣って発音する場合には、「モア」の称呼が生ずるものである。」

 

 ここで両者を比較すると、外観は、

 

「「M」及び「O」の2文字を共通にするものの、それらの字体及び図案化の有無において異なり、また、欧文字4文字及び3文字という短い文字構成及び色彩も異なるなど明らかな差異を有することからすれば、外観上、判然と区別し得るものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標は、「モーア」及び「モア」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標は、「エムオーエー」及び「モア」の称呼を生ずるものであるところ、両者は「モア」の称呼を共通にする場合があるものの、両商標から生ずるその他の称呼での比較においては、その音数及び音構成を異にするものであり、両者は、称呼上明確に聴別し得るものである。」

 

 観念は、

 

「本願商標は、「もっと大きい。もっと多い。」という観念を生ずるものであるのに対し、引用商標は、特定の観念を生ずることのないものであるから、両商標は、相紛れるおそれのないものである。」

 

 として、

 

「称呼において共通にする場合があるとしても、外観においては、判然と区別し得るものであり、また、観念においても、相紛れるおそれはないものであるから、その外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標をそれぞれ同一又は類似の商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはない」

 

 非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、称呼の一部が共通する場合の類否が問題となりました。

 

 称呼の一部が共通する場合でも、商標から複数の称呼が生じる場合には、外観や観念が大きく異なる場合に非類似とされる場合があります。

 

 複数の称呼が生じるような商標にすることが真似とは言わせないツボになります。

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