ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5768652号:「くるまる君」、指定商品・役務:第36類の各役務の商標は、

 

(1)登録第5264191号商標:「くる丸」

 

(2)登録第5314446号商標:

 

 オレンジ色の「くるまる」の文字を灰色及び白色で縁取りし、その左上に薄いオレンジ色の「KAP」の文字を小さく配し、また、右上には灰色の「総合自動車保険」の文字を小さく配し、さらに、「くるまる」の文字の右半分及び「総合自動車保険」の文字を囲うように薄いオレンジ色の曲線を配した構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2015-003374号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「構成文字は、同書、同大、同間隔で、外観上まとまりよく一体に表されており、これから生じる「クルマルクン」の称呼も、無理なく一連に称呼できるものである。」

 

 そして、

 

「「君」の文字は、同輩や同輩以下の人の氏名の下に添える語であるところ、しばしば人以外のものに付して愛称的にも用いられるものであるから、本願商標は、全体として、一つの愛称を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。」

 

「してみれば、本願商標は、その構成文字に相応して「クルマルクン」の一連の称呼を生ずるものであって、愛称を表した一種の造語として看取されるものであるから、特定の観念は生じないものである。」

 

 一方、引用商標1の

 

「文字は辞書類に掲載の認められない一種の造語といえるものであるから、その構成文字に相応して「クルマル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 また、引用商標2の

 

「文字部分と図形部分は、視覚上分離して看取され、文字部分を図形部分から分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているものといえないものである。」

 

 そうすると、、

 

「その構成中の文字部分のみをもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。」

 

 また、

 

「「くるまる」の文字部分は、「KAP」及び「総合自動車保険」の文字部分より、大きく、かつ、縁取りにより顕著に表されているから、外観上、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるといえる。」

 

 してみれば、

 

「「くるまる」の文字部分が出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから、当該文字部分のみを抽出し、他人の商標と比較して商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。」

 

 以上よりすると、

 

「その構成中の「くるまる」の文字に相応して「クルマル」の称呼を生じ、「すっぽりと身を包む」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の観念を生じるものというのが相当である。」

 

 そこで、類否についてみると、

 

「それぞれの構成態様に照らし、明らかな差異を有するものであるから、外観上、明確に区別できるものである。」

 

 そして、

 

「本願商標から生じる「クルマルクン」の称呼と、引用商標中の「くるまる」の文字から生じる「クルマル」の称呼とは、その音数及び音構成が明らかに相違するものであるから、明確に聴別し得るものである。」

 

 さらに、

 

「本願商標と引用商標とは、本願商標が前記(1)のとおり特定の観念を有しないものであるから、観念については比較することができず、観念上、類似するとはいえないものである。」

 

 として両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 

 今回は、一部の文字が共通する場合の類否が問題となりました。

 

 一部の文字が共通していても、一体的に構成されたものであれば、その部分が支配的な印象を与えることはありません。

 

 全体の構成に一体性を持たせることが真似とは言わせないツボになります。

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