ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5768533号:「ミックヨウジキョウシツ」の片仮名と「MIC幼児教室」の文字とを上下2段に表してなる構成、指定商品・役務:第41類の各役務の商標は、

 

(1)登録第3042413号商標:

 

 小さめの「Grand」と大きめの「MIC」とが上下二段に配された構成

 

(2)登録第4942154号商標:

 

 大きめの「M.I.C」と小さめの「Meeting Information Center」の文字とが上下二段に配され、全体が楕円で覆われた構成

 

(3)登録第5693526号商標:

 

 「mIC」の文字の上側に傾斜方向が異なる二本の斜線と下側に直線とが配された構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2015-001626号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は、同じ書体、同じ大きさで、構成全体としてまとまりよく一体的に表されているものである。」

 

「このような構成よりなる商標については、一般に、上段の片仮名は、下段の文字の読みを表したものとみるのが自然であり、本願商標からは、「ミックヨウジキョウシツ」の称呼が生じるものであって、その称呼も、特別冗長でなく、無理なく一連に称呼し得るものである。」

 

「そして、本願商標の構成中「幼児教室」の文字は、「幼児のために学習などを教える所」程の意味合いを理解させ、役務の提供の場所である教室の名称として用いられ、使用される文字ということができる。」

 

 そうとすれば、

 

「その構成文字全体をもって、幼児教室の名称を表したものとして理解され、取引に資されるというのが相当であり、他に、「MIC」の文字部分のみをもって取引に資されるというべき特段の事情は見いだせない。」

 

 してみれば、

 

「その構成文字全体に相応した「ミックヨウジキョウシツ」の一連の称呼のみを生ずるものであって、単に「ミック」の称呼は生じないものというのが相当である。」

 

 として両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、一部の文字が共通する場合の類否が問題となりました。

 

 一部の文字が共通していても、一体的に構成されたものであれば、あえてその部分を抜き出して識別することはありません。

 

 一連に称呼が可能な程度に一体性を持たせることが真似とは言わせないツボになります。

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