ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5765011号:「CL」及び「DE」の欧文字をゴシック体調に灰色で表し、上記各文字の間に、上部に青丸を配し、下部の灰色縦線部分の上下両端から横線をそれぞれ、左右へ伸ばした「i」の欧文字を図案化したと思しき図形を表した構成

 

 指定商品・役務:第9類の各商品の商標は、

 

 登録第4552596号商標:「株式会社クリード」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2014-020982号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字及び図形は、同じ高さをもって等間隔にまとまりよく表されており、中央の図形部分を欧文字の小文字「i」を表したものと理解するのが自然であることから、全体として、「CLiDE」の欧文字を表したものであると容易に看取、認識させるものである。」

 

「そして、「clide」の語は、辞書等に載録のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語と認められるものであり、該語は、特定の読みを直ちに想定し難いが、このような欧文字からなる場合、我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるから、」

 

「「子音+『i』+子音+『e』」の綴りを語尾に有する又は上記の綴りからなる英単語、例えば、「slide」が「スライド」、「glide」が「グライド」、「ride」が「ライド」、
「side」が「サイド」及び「hide」が「ハイド」と発音されることに鑑みれば、本願商標からは、「クライド」の称呼が生ずるというのが相当である。」

 

「また、本願商標からは、特定の観念を生じるものではない。」

 

 一方、引用商標は、

 

「「クリードという株式会社」程の観念が生じ、また、「カブシキガイシャクリード」の称呼が生じるほか、前半の「株式会社」の文字部分は、法人の組織形態を表わす用語であり、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、該文字部分を省略して称呼される場合が多いことから、後半の「クリード」の文字部分に相応して「クリー
ド」の称呼をも生じ得るといえるものである。」

 

 そこで、両者の外観を比較すると、

 

「その構成において明らかな差異を有することからすれば、両商標は、外観上、容易に区別し得るものといえる。」

 

 称呼は、

 

「中間音における「ライ」及び「リー」の音の差異を有するものであるところ、その中間音の差異は明確に発音される「ライ」と長音を伴う「リ」であることから、ともに4音という短い音構成においては、該差異の両称呼全体に及ぼす影響は大きく、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、語感、語調が相違し、十分に聴別し
得るものであるというのが相当である。」

 

 観念は、

 

「本願商標は、特定の観念を生じない一方で、引用商標は、「クリードという株式会社」の観念が生ずるものであるから、観念上、両商標が相紛れるおそれはない。」

 

 として、非類似の商標とみるのが相当であるとされました。

 

 

 今回は、欧文字商標の類否が問題となりました。

 

 欧文字の造語の場合、まずは英語読みで称呼されるとして類似する英単語から称呼を推測します。

 

 英語以外の言語読みでは近い称呼でも英語よりもなじみの少ないものにすることが、真似とは言わせないツボになります。

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