ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5762838号:「KUMATAN」、指定商品・役務:第28類の各商品の商標は、

 

 登録第5517724号商標:上段に「おりこう」の文字の「お」のもじ右肩の点を音符で表し、その下段に「KUMA」の文字と「TAN」の文字を配し、両文字の間に動物の足跡の図形を配してなり、構成中文字及び図形は橙色で配色され縁取りに茶色を施し、統一的なデザインで表してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2014-001353号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「各構成文字は同じ書体及び同じ大きさをもって、等間隔にまとまりよく一体的に表してなるものである。」

 

「そして該「KUMATAN」文字は、辞書等に既成の熟語として掲載されていないものであるから、特定の意味を有しない造語として認識されるとみるのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して、「クマタン」の称呼を生じ、特定の観念を生じることのないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「視覚上、まとまりよく一体的なものとして看取、把握されるとみるのが相当である。」

 

 また、

 

「構成文字から生ずると認められる「オリコウクマタン」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。」

 

 そして、

 

「「おりこう」の語は「利口」を意味し、「KUMA」の文字は「熊」の読みを欧文字表記と認められ、「TAN」の文字が「たん」を欧文字表記したものであって、「○○ちゃん」の幼児語又はそれに準じた言葉と認められることから、引用商標からは、「利口な熊ちゃん」程の観念が生じるというのが相当である。」

 

 さらに、

 

「「おりこう」の文字が、引用商標に係る指定商品との関係において、商品の品質を表示する等、自他商品の識別標識としての機能を有しないものということはできず、引用商標下段の「KUMA」及び「TAN」の文字部分のみに着目し、当該文字部分のみをもって取引に資するというべき特段の事情も見いだし得ない。」

 

 となると、

 

「その構成全体に相応する「オリコウクマタン」の称呼のみを生じ、「利口な熊ちゃん」の観念を生ずるものである。」

 

 そこで、両者を比較すると、外観は、

 

「明らかに区別し得るものである。」

 

 称呼は、

 

「その音構成及び構成音数において明確な差異を有するものであるから、それぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が異なり、互いに聞き誤るおそれはない。」

 

 観念は、

 

「特定の観念を生じることのないものであるから、観念について比較することができない。」

 

 として、非類似の商標とみるのが相当であるとされました。

 

 

 

 今回は、商標の一部の称呼が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 称呼の一部が共通している場合でも、その部分だけ認識されるようなものでない場合には、全体の称呼が異なれば非類似になります。

 

 一部が共通していても一体感があることが真似とは言わせないツボになります。

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