ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第636713号:「Betty」の欧文字を各文字の角度をそれぞれ傾けて横書きし、また、該構成中の「y」の文字の上部に前足と後足を接した猫と思しき動物の横向きのシルエット図形を配し、さらに、該「y」の文字の右下に8つの先端を有する星型図形を配した構成、指定商品・役務:第25類の各商品の商標は、

 

 登録第5084809号商標:左側に女性の頭部を描いた図形を配し、その右に近接して「ベテイー」の片仮名(その構成中の「テ」の文字は、該文字の前後の文字と比較して小さく表されている。以下同じ。)を横書きしてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2014-014491号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は、

 

「欧文字及び図形全体を一体的に輪郭線で囲んだまとまりある構成からなるもの」

 

であり、

 

「本願商標の構成中の「Betty」の欧文字は、「Elizabeth(エリザベス)」の愛称として広く用いられる女性の名を表したものである。」

 

「そうすると、本願商標は、その構成中の欧文字に相応して「ベティー」の称呼が生ずるものであるとしても、その構成中の図形と文字とが一体的に把握され、その構成全体をもって強く印象を与えるものといえるから、該称呼のみによって商取引に資されるとはいい難いものであり、」

 

「また、特定の観念が生ずるとまではいえないものの、その外観に相応して「猫と思しき動物のベティー」程の意味合いが生ずるものといえる。」

 

 一方、引用商標の

 

「「ベテイー」は、広く用いられる女性の名を表したものとみるのが自然であり、また、該文字に近接して女性の頭部を描いた図形が配されていることを併せみれば、引用商標の構成中の「ベテイー」の文字は、左側に描かれた女性の名を表したものと認識され得るものである。」

 

「また、その構成中の女性の頭部図形は、米国のアニメーションのキャラクターとして知られている「ベティー・ブープ(BETTY BOOP)」を想起することもあり得るものである。」

 

「そうすると、引用商標は、その構成中の片仮名に相応して「ベテイー」又は「ベティー」の称呼が生ずるものであるとしても、その構成中の図形と文字とが一体的に把握し得るものであるから、該称呼のみによって商取引に資されるとはいい難いものであり、」

 

「また、特定の観念が生ずるとまではいえないものの、その外観に相応して「女性のベティー」又は「ベティー・ブープ」程の意味合いが生ずるものといえる。」

 

 そこで、両商標を対比すると、外観は、

 

「両商標から「ベティー」の称呼が生ずるものの、構成中の図形の違いや、欧文字と片仮名の文字種を異にするなど明らかな差異を有するものであり、外観上、判然と区別し得るものである。」

 

 観念は、

 

「いずれも構成全体を一体的に把握し得るものであるから、特定の観念を生ずることはないものの、本願商標は「猫と思しき動物のベティー」程の意味合いが生ずるものであり、引用商標は「女性のベティー」又は「ベティー・ブープ」程の意味合いが生ずるものであるから、両者は、観念において互いに紛れるおそれがあるもの
とはいえない。」

 

「してみれば、本願商標と引用商標とは、称呼において類似する場合があるとしても、全体の外観において判然と区別し得るものであり、観念において相紛れるおそれはないものであるから、その外観、称呼及び観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、本願商標と引用商標をそれぞれ同一又は類似の商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはない」

 

 として,本願商標と引用商標とは非類似であるとされました。

 

 

 

 今回は、称呼が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 このような場合でも、外観や観念で大きく異なる場合には、非類似とされることもあります。

 

 全体で異なっている印象を与えることが真似とは言わせないツボになります。

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