登録第5734927号:筆記体風の書体をもって表された「mog」の欧文字を横書きしてなる構成、指定商品・役務:第43類「菓子及びパンを主とする飲食物の
提供,その他の飲食物の提供,飲食物の提供に関する情報の提供」の商標は、
登録第4917349号商標:
袋文字で表された「MOGU」の欧文字を横書きしてなる構成
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2014-018348号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の文字は
「辞書類に載録されている既成の語とは認められず、特定の意味を有することのない一種の造語として看取、理解され得るものである。」
「そうすると、本願商標は、その文字構成に相応する「モグ」及び「エムオージー」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を生じないものというのが相当である。」
一方、引用商標の文字は
「辞書類に載録されている既成の語とは認められず、特定の意味を有することのない一種の造語として看取、理解され得るものである。」
ここで、引用商標と対比すると、外観については
「その文字構成において、「U」の文字の有無という明らかな差異があるほか、文字の表し方においても、本願商標が筆記体風の書体をもってすべて小文字で表されているのに対し、引用商標は袋文字をもってすべて大文字で表されていることからすれば、外観上、明らかに区別できるものである。」
称呼については、
「本願商標からは「モグ」及び「エムオージー」の称呼を生ずるのに対し、引用商標からは「モグ」の称呼を生ずるところ、両商標は、「モグ」の称呼を生ずる点においては共通するものの、「エムオージー」の称呼と「モグ」の称呼との比較においては、それぞれの音の数及び構成の違いにより、明らかに聴別できるものである。」
観念については、
「いずれも特定の観念を生ずることのないものであるから、観念上、両商標が相紛れるおそれはない。」
ということで、
「称呼を同じくする場合があるとしても、外観においては明らかに区別できるものであり、観念においても相紛れるおそれがないものであるから、これらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両商標は、相紛れるおそれのない」
として、非類似の商標であるとされました。
今回は、称呼が共通する場合がある商標の類否が問題となりました。
このような場合でも、外観や観念に大きな相違があれば非類似とされる場合もあります。
称呼がどうしても紛らわしくなっても、あきらめずに他の2つを著しく異ならせることが、真似とは言わせないツボになります。
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