登録第5733147号:「koo」の欧文字の上に小さく「クウ」の片仮名を書してなる構成、指定商品・役務:第3類「化粧品,せっけん類,香料,薫料」の商標は、
(1)登録第4941209号商標:
「QOO」の欧文字と「クー」の片仮名を上下二段に書してなる構成
(2)登録第5273085号商標:
「COO」の欧文字と「クー」の片仮名を上下二段に書してなる構成
(3)登録第5273086号商標:「クー」
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2013-018567号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標は
「片仮名部分が欧文字部分の読みを特定したものと理解し得るものであるから、「クウ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。」
一方、引用商標1は
「下段の片仮名は、上段の欧文字部分の読みを特定したものと理解し得るものであるから、「クー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。」
引用商標2は
「下段の片仮名は、上段の欧文字部分の読みを特定したものと理解し得るものであるから、「クー」の称呼を生じるものである。また、「COO」の欧文字(語)は、「(ハトが)クークー鳴く」を意味する英語(プログレッシブ英和中辞典[小学館])であるが、該語は一般に親しまれた語とはいえないため、一種の造語として認識、把握されるとみるのが自然である。」
引用商標3は、
「「クー」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。」
ここで、各引用商標と対比すると、外観については
「著しく相違するものであるから、相紛れるおそれはない。」
称呼については、
「本願商標から生じる「クウ」の称呼と、引用商標から生じる「クー」の称呼とは、それぞれを称呼するときは、音調、音感が近似したものとなるから、互いに聞き誤るおそれがある。」
観念については、
「ともに特定の観念を生じないものであることから、相紛れるおそれがない。」
ということで、
「称呼において聞き誤るおそれがあるとしても、外観において著しく相違し、かつ、観念において相紛れるおそれがないから、それらによって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すると、両商標をそれぞれ同一又は類似の商品に使用しても、その出所について混同を生ずるおそれはない」
として、非類似の商標であるとされました。
今回は、称呼が相紛らわしい商標の類否が問題となりました。
このような場合でも、外観や観念に大きな相違があれば非類似とされる場合もあります。
3つの要素のうち、共通するものがある場合、他の2つを著しく異ならせることが、真似とは言わせないツボになります。
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