ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5733126号:「PIENO」、指定商品・役務:第43類「飲食物の提供」の商標は、

 

(1)登録第4825684号商標:

 

ほぼ正方形の輪郭線の中に、上部左側に太陽と思しき図形、中央部左側に白抜きの赤い字で「trattoria」の欧文字、右側に「トラットリア」の片仮名と木と思しき図形、その下方左側に「ピエーノ」の片仮名、その右側に緑字で「Pieno」の欧文字、下部に白抜き状の模様を有する赤色の帯状の図形を配した構成

 

(2)登録第5171688号商標:

 

右上に「イタリアン」及び「ブッフェ」の片仮名の赤い文字を2段に書し、また、中央に大きく「Pieno」の欧文字と小さく「ピエーノ」の片仮名をともに青い文字で2段に書してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2014-005314号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「辞書上は「いっぱいの、満腹の」を意味するイタリア語であるとしても、我が国において一般に馴染まれた語とはいえないものであり、該文字に接する取引者、需要者が、これより直ちに上記意味合いを理解するとはいい得ないものであるから、本願商標は、特定の意味合いを看取させない一種の造語と認識されるというのが
相当である。」

 

「そして、このような造語と認識される欧文字については、その表音が表示されているような場合を除くならば、我が国で親しまれたローマ字の発音に倣って称呼するのが自然といえるから、本願商標は、「ピエノ」の称呼を生じるものである。」

 

 一方、引用商標1の

 

「「トラットリア」の片仮名は、「trattoria」の欧文字の表音と、また、「ピエーノ」の片仮名は、「Pieno」の欧文字の表音と認められるものであるから、」

 

「その構成文字の全体に相応して「トラットリアピエーノ」の称呼、「Pieno」の文字部分に相応して「ピエーノ」の称呼が生じるものである。」

 

 また、

 

「特定の意味合いが生じないものと認識されるというのが相当である。」

 

 引用商標2の

 

「「イタリアン」の文字は「イタリア風」を、「ブッフェ」の文字は「並んだ料理から好きなものを取って食べる形式」を意味する(広辞苑第六版)ものであり、本願の指定役務との関係において、指定役務の質を表すものといえるから、その文字部分のみでは、自他役務の識別標識としては機能し得ないものであるというのが相当である。」

 

「そして、その構成中の「ピエーノ」の片仮名は「Pieno」の欧文字の表音と認められるものであるから、」

 

「その構成文字の全体に相応して「イタリアンブッフェピエーノ」の称呼、「Pieno」の文字部分に相応して「ピエーノ」の称呼が生じるものである。」

 

 また、

 

「特定の意味合いが生じない一種の造語と認識されるというのが相当である。」

 

 ここで、引用商標1と対比すると、外観については

 

「図形の有無、「trattoria」及び「トラットリア」の文字の有無、色彩の有無など明らかな差異を有するものであるから、外観においては、明らかに区別し得るものである。」

 

 称呼については、

 

「本願商標から生じる「ピエノ」の称呼と引用商標1から生じる「ピエーノ」の称呼とは、第3音の長音の有無が相違するのみであるが、このような簡潔な称呼にあっては、長音の有無も無視できないものといえる。」

 

「次に、本願商標から生じる「ピエノ」の称呼と、引用商標1から生じるもう一つの称呼である「トラットリアピエーノ」の称呼とは、語頭における「トラットリア」の音の有無、加えて、「エ」の長音の有無という相違があることから、両称呼は明らかに聴別し得るものである。」

 

 観念については、

 

「ともに特定の観念を有しないものであるから、比較することができないものである。」

 

 引用商標2については、

 

「「イタリアンブッフェ」の文字の有無、色彩の有無など明らかな差異を有するものであるから、外観においては、明らかに区別し得るものである。」

 

 称呼については、

 

「本願商標から生じる「ピエノ」の称呼と引用商標2から生じる「ピエーノ」の称呼とは、第3音の長音の有無が相違するのみであるが、このような簡潔な称呼にあっては、長音の有無も無視できないものといえる。」

 

「次に、本願商標から生じる「ピエノ」の称呼と、引用商標2から生じるもう一つの称呼である「イタリアンブッフェピエーノ」の称呼とは、語頭における「イタリアンブッフェ」の音の有無、加えて、「エ」の長音の有無という相違があることから、両称呼は明らかに聴別し得るものである。」

 

 外観については、

 

「ともに特定の観念を有しないものであるから、比較することができないものである。」

 

 として、非類似の商標であるとされました。

 

 

 

 今回は、長音の有無による商標の類否が問題となりました。

 

 このような場合でも、簡潔な称呼の場合には相違があるとして非類似とされる場合もあります。

 

 簡潔な称呼にすることが、真似とは言わせないツボになります。

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