ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5730839号:「ゴルシマ」、指定商品・役務:第5類「人間用薬剤」の商標は、

 

 登録第5091004号商標:「CORSIMA」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2014-018994号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「その構成文字に相応して「ゴルシマ」の称呼が生ずるものである。また、該文字は、辞書等に掲載の見受けられない一種の造語と認められるものであり、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「語頭の「COR」の文字部分については、我が国でよく知られている単語である、例えば「cord」、「corner」及び「corn」の各語が、それぞれ、「コード」、「コーナー」及び「コーン」と発音され、」

 

「また、「corset」、「cork」及び「Corsica」の各語が、「コルセット」、「コルク」及び「コルシカ」と、それぞれ発音されていることを踏まえると、語頭の「COR」の文字部分は、「コー」又は「コル」と発音されるとみるのが自然といえる。」

 

「そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「コーシマ」及び「コルシマ」の称呼を生ずるとみるのが相当である。そして、「CORSIMA」の欧文字は、辞書等に掲載の見受けられない一種の造語と認められるものであり、特定の観念を生じないものである。」

 

 ここで、両者を対比すると、外観については

 

「その文字構成において、明らかな差異を有するものであるから、外観上、両商標が相紛れるおそれはない。」

 

 称呼については、

 

「本願商標から生ずる「ゴルシマ」の称呼と引用商標から生ずる「コルシマ」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に4音からなり、その構成音中第2音ないし第4音の「ルシマ」の音を共通にするものである。」

 

「一方、第1音において「ゴ」と「コ」の差異を有するものであるが、該差異音は、共に母音「o」を共通にする軟口蓋を調音点とした破裂音であり、かつ、濁音と清音の近似した音質であることから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が近似し、称呼上相紛れるおそれがある商標とみるのが相当である。」

 

「次に、本願商標から生ずる「ゴルシマ」の称呼と引用商標から生ずる「コーシマ」の称呼とを比較するに、両称呼は、長音を含めて共に4音からなり、その構成中後半の「シマ」の2音を共通にするものであるが、」

 

「称呼の識別上重要な部分である語頭を含む前半において、「ゴル」と「コー」の音の差異を有し、また、両商標の4音という比較的短い音構成において、その差異が長音を含めて2音であることからすると、その違いの称呼全体に及ぼす影響は大きく、これらをそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調、語感が異なり明瞭に聴別し得るものである。」

 

 観念については、

 

「いずれも特定の観念を生じることのないものであるから、観念上、相紛れるものではない。」

 

 ここで、

 

「「ゴルシマ」と「コルシマ」の称呼において類似する場合があるとしても、外観においては明確に区別でき、観念においても相紛れるものではない。」

 

 として、非類似の商標であるとされました。

 

 

 

 今回は、称呼の一つが相紛らわしい場合の商標の類否が問題となりました。

 

 このような場合でも、外観や観念で大きく異なる場合には非類似とされる場合もあります。

 

 外観や観念で大きく異ならせることが、真似とは言わせないツボになります。

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