ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5723012号:「ASHLEY B」、指定商品・役務:第25類の各商品の商標は、

 

 登録第5260796号商標:「ashley」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2014-018265号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「その構成は,同書,同大で外観上まとまりよく一体的に表わされており,その構成文字から生ずる「アシュリービー」又は「アシュレービー」の称呼も,格別冗長でもなく,よどみなく一連に称呼し得るものである。」

 

「そして,本願商標が,「ASHLEY」と「B」の欧文字との組合せからなるものと理解されるとしても,「B」の部分を,殊更省略して,「ASHLEY」の文字部分のみに着目するというよりは,むしろ,構成文字の全体をもって,一種の造語を表したものと認識し,把握されるとみるのが自然である。」

 

「そうとすれば,本願商標は,その構成全体をもって取引に資されるというべきであるから,「アシュリービー」又は「アシュレービー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標は

 

「これからは,「アシュリー」又は「アシュレー」の称呼を生じ,該文字は,特定の意味を有しない一種の造語といえるものであるから,観念を生じないものである。」

 

 そこで、両商標を比較すると、外観については、

 

「両商標は,その構成全体において,外観上,十分に区別できるものである。」

 

 称呼については、

 

「本願商標から生ずる「アシュリービー」又は「アシュレービー」の称呼と,引用商標から生ずる「アシュリー」又は「アシュレー」の称呼とは,語尾における「ビー」の音の差異を有するものであるから,それぞれを一連に称呼しても,その語調,語感が異なり,互いに相紛れるおそれはないものである。」

 

 観念については、

 

「特定の観念を生じないものであるから,観念上,類似するとはいえないものである。」

 

 として、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標であるとされました。

 

 

 

 今回は、結合商標の類否が問題となりました。

 

 1文字付加された場合でも、称呼や外観等が異なります。

 

 一体感をもった構成にすることが、真似とは言わせないツボになります。

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