ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5636407号:黒色で「PARKER」の文字(「A」は図案化されている。)を表し,その右側に,半角ほどのスペースを設けて,黒色で縁取りされた白抜き文字で「IONICS」の文字(「O」は図案化されている。)(以下「PARKER IONICS」と表す。)からなる構成
 指定商品・役務:第7類「塗装機械器具」の商標は、

 

 登録第4405466号商標:黒色の横長四角形内に,「Parker」の図案化された白抜き文字を表した構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2013-015664号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の構成文字は

 

「同じ大きさで,外観上まとまりよく一体的に表されており,これより生じる「パーカーアイオニクス」,「パーカーイオニクス」の称呼は,よどみなく一連に称呼し得るものである。」

 

「また,「PARKER」及び「IONICS」は,いずれも特定の意味を有する語ではない。」

 

「そうすると,本願商標において,殊更「IONICS」の文字部分を捨象し,「PARKER」の文字部分のみをもって取引に資されるものとすべき特段の理由は見あたらないものであって,その構成全体を一体不可分のものとして認識,把握されるものとみるのが自然である。」

 

「してみれば,本願商標は,その構成文字に相応して,「パーカーアイオニクス」,「パーカーイオニクス」の一連の称呼のみを生じ,また,該文字は,特定の意味合いを有しない一種の造語と認められるものであるから,これよりは,特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「その構成文字に相応して,「パーカー」の称呼を生じ,また,該文字は,特定の意味合いを有しない一種の造語と認められるものであるから,これよりは,特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで、引用商標と比較すると、外観においては,

 

「本願商標と引用商標は,それぞれ上記のとおりの構成であるから,両商標は,外観上明確に区別できるものである。」

 

 称呼においては,

 

「本願商標から生じる「パーカーアイオニクス」,「パーカーイオニクス」の称呼と引用商標から生じる「パーカー」の称呼とは,「パーカー」の後に「アイオニクス」,「イオニクス」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから,両商標は,称呼上明確に区別できるものである。」

 

 観念については、

 

「共に特定の観念を生じないものであるから,両商標は,観念上類似するところがないものである。」

 

 

 として、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標であるとされました。

 

 

 

 今回は、結合商標の一部が同一の場合の類否が問題となりました。

 

 指定商品との関係で、結合する語句のどちらかの文字部分のみをもって取引に資されるものとすべき特段の理由がなければ、一体の構成とされることになります。

 

 造語の場合、使用する商品とできるだけ無関係の語句同士を結合することが、真似柄とは言わせないツボになります。

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