ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5629567号:「hurray 」、指定商品・役務:第25類「婦人靴」の商標は、

 

 登録第4767316号商標:

 

 「frais」の欧文字及び「フレ」の片仮名を二段に横書きしてなる構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2013-009874号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「「hurray」の欧文字を標準文字で表してなるものであり、該文字から「フレー」の称呼及び「フレー(競技の時の応援の掛け声)」の観念を生じるものである。 」

 

 一方、引用商標は、

 

「その構成文字に相応して「フレ」の称呼を生じるものである。また、「frais」の欧文字(語)は、「涼しい、ひんやりとした」の意味を有する仏語であるが、該語は一般に親しまれた語とはいえないため、引用商標からは特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで、両者を比較すると、

 

「両商標は、外観においては、その構成文字に明らかな差異を有するものであるから、相紛れるおそれはないものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標から生じる「フレー」の称呼と、引用商標から生じる「フレ」の称呼とは、語尾における長音の有無に差異を有するものである。」

 

「そして、両称呼は共に長音を含め2音又は3音という極めて短い音構成からなるものであることからすると、語尾における長音の有無の差異が両称呼全体に及ぼす影響は小さくなく、それぞれを一連に称呼しても、その音調、音感が異なり、両称呼は相紛れるおそれはないものである。」

 

 観念は、

 

「本願商標からは「フレー(競技の時の応援の掛け声)」の観念を生じるのに対し、引用商標からは特定の観念を生じないものであるから、観念において相紛れるおそれはないものである。」

 

 として、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標であるとされました。

 

 

 今回は、長音の有無による商標の類否が問題となりました。

 

 長音の有無は称呼上、あまり差異がない場合もあります。

 

 でも全体が短い音構成では、長音の有無が差異に影響を及ぼすこともあります。

 

 短い音構成にして差異を目立たせることが真似とは言わせないツボになります。

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