ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5617843号:「エクサパッド」の片仮名と「EX@PAD」の欧文字及び記号を上下二段に書してなる構成、指定商品・役務:第9類、第42類の各商品・役務の商標は、

 

(1)登録第4645263号商標:「エクスパッド」

 

(2)登録第4677436号商標:「eX−Pad」

 

(3)登録第4677437号商標:「EX−Pad」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2013-005257号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は、

 

「上段の「エクサパッド」の片仮名は、辞書等に記載のない語であり、特定の意味を有しない造語といえるものである。」

 

 また、

 

「記号「@」は、ロゴを作成する際などにおいて、外観が近似する欧文字「a」の代わりに用いられることが少なくないことからすると、下段の「EX@PAD」の欧文字及び記号は、「EXAPAD」の欧文字を一部図案化したものとみることができるものであって、上段の「エクサパッド」の片仮名は、下段部分の読みを表したものとみるのが自然である。」

 

「そうとすると、本願商標は、その構成全体から「エクサパッド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標1は、

 

「「エクスパッド」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に記載のない語であり、特定の意味を有しない造語といえるものであるから、「エクスパッド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 また、引用商標2及び3は、

 

「「eX−Pad」又は「EX−Pad」の欧文字及び記号を標準文字で表してなるところ、該文字は、辞書等に記載のない語であり、特定の意味を有しない造語といえるものであるから、それぞれの構成全体から「エクスパッド」又は「イーエックスパッド」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 

 そこで、引用商標との称呼について検討すると、

 

 

「本願商標から生じる「エクサパッド」の称呼と引用商標から生じる「エクスパッド」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に6音からなり、3音目における「サ」の音と「ス」の音の差異を有するものであるところ、」

 

「該差異音の「サ」と「ス」の音は、子音を共通にするとしても、前者が開放母音であるのに対し、後者は狭母音であり、その調音の位置、調音の方法を異にし、音質を異にする音であるから、該差異音は、明瞭に聴取し得るものと認められる。」

 

「してみれば、両称呼は、音構成が比較的短いことと相まって、両者を一連に称呼するときは、該差異音が称呼全体に及ぼす影響が大きく、両者は識別し得るものと判断するのが相当である。」

 

「なお、本願商標から生じる「エクサパッド」の称呼と引用商標2及び3から生じる「イーエックスパッド」の称呼とは、構成音及び音数が相違するものであるから、明らかに聴別し得るものである。」

 

 外観については、

 

「明らかに異なるものである。」

 

 観念については、

 

「特定の観念を生じないものであるから、観念上類似するものとはいえない。」

 

 

 として、外観,称呼及び観念を総合的に判断すると、両商標は、外観,称呼及び観念のいずれの点からみても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であるとされました。

 

 

 

 今回は、称呼の類否が問題となりました。

 

 子音を共通にするとしても、開放母音と狭母音とで異なれば識別できます。

 

 子音よりも母音を異ならせることが、真似とは言わせないツボになります。

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