ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5603587号:「RAYTELA」、指定商品:第9,10,11類の各商品の商標は、

 

 国際登録第940645号商標:「LATERA」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2013-006040号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、

 

「両商標を構成する文字は、辞書等に記載が無いものであり、共に特定の観念を有しない一種の造語を表したものと理解されるというのが相当である。」

 

 そして、

 

「本願商標は、その構成中の語頭部分の「RAY」について、「光線」の意味を有する英語としてよく知られた「ray」が「レイ」と発音されることからすれば、その構成文字に相応して、「レイテラ」の称呼が生じるというのが自然である。」

 

 一方、引用商標は

 

「その構成中の語頭部分の「LA」について、よく知られた英語において、「late」が「レイト」、「lay」が「レイ」と発音されることから、「レイ」と発音される場合がある一方、「land」が「ランド」、「last」が「ラスト」と発音されることから、「ラ」と発音される場合もあり得るものであり、」

 

「また、「la」の文字がフランス語やイタリア語等における定冠詞として「ラ」と発音されていることからすれば、その構成文字に相応して、「レイテラ」又は「ラテラ」の称呼が生じるというのが相当である。」

 

 

 そこで、両者を対比すると、

 

「両者は、構成文字数が7文字と6文字とで相違しており、語頭部において、「光線」の意味を有する英語としてよく知られた「RAY」の文字とフランス語やイタリア語等における定冠詞としてよく知られた「LA」の文字とに顕著な差異を有するものであるから、外観上、明らかに区別し得るものである。」

 

 称呼においては、

 

「本願商標からは「レイテラ」の称呼が生じるものであるから、引用商標から「レイテラ」の称呼が生じる場合は、称呼が共通するものである。」

 

「しかしながら、引用商標から「ラテラ」の称呼が生じる場合には、語尾部分における「テラ」の音を共通にするものの、語頭部分における「レイ」の音と「ラ」の音の明らかな差異を有するものであるから、これらの差異音が4音又は3音という短い音構成からなる両称呼に及ぼす影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても相紛れるおそれはないといえる。」

 

 観念については、

 

「いずれも特定の観念を生じるものではないから、観念において比較することはできないものであるところ、観念上、相紛れるような特段の事情は見いだせない。」

 

 

 よって、

 

「本願商標と引用商標とは、称呼において、「レイテラ」の称呼を共通にする場合があるとしても、本願商標から生じる「レイテラ」の称呼と引用商標から生じる「ラテラ」の称呼との比較においては明確に聴別することができるものであって、外観において大きく異なり、観念においても相紛れるおそれはないものであるから、」

 

 非類似の商標と判断するのが相当であるとされました。

 

 

 今回は、称呼の一部が共通する場合の類否が問題となりました。

 

 称呼が共通する場合は通常は類似とされます。

 

 でも、一つの商標から複数の称呼が生じる場合には、他の要素が著しく異なっていれば、非類似となる場合もあります。

 

 やむを得ず一部の称呼が共通してしまっても、他の要素で差別化することが、真似とは言わせないツボになります。

「RAYTELA」はこうして商標登録された関連ページ

メディキノコはこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「バケッ塔」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ハウスブレーン」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「XDSKIN」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロシャワー 」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「ドクターフィッシュカフェ」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「Veeco」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「jna」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「IGUIDE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「オルガノサイエンス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「LASEE」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。
「プロテアス」はこうして商標登録された
商品やサービスのネーミングの際に必要となる、既存の登録商標との差異化を検証、真似とは言わせない、真似させないためのご支援をいたします。