ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5597386号:「SENTIRE 」、指定商品:第3類「女性用スキンケア用化粧品,女性向け美容用洗顔石けん」の商標は、

 

(1)登録第4475277号商標:「sentir」の文字と「センティール」の文字とを上下二段に表してなる構成

 

(2)登録第4712171号商標:「SENTIRA」の文字と「センティーラ」の文字とを上下二段に表してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2013-000628号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「内部に曲線を有する水滴様の図形と該図形の下に「SENTIRE」の文字を配してなるものであるところ、その構成中の「SENTIRE」の文字は、「感じる」等の意味を有するイタリア語(「伊和中辞典」、2008年2月4日、第2版第9刷、株式会社小学館発行)の成語として辞書に掲載されているものの、」

 

「我が国において、該文字が特定の語義を有する成語として一般に親しまれているとまではいい難いことから、これに接する取引者、需要者に、直ちに特定の意味を想起させることのない造語として認識されるというのが相当である。」

 

 また、図形部分は、

 

「それ自体、特定の事物を表したものとして看取、把握されるとはいい難い。」

 

「そうすると、本願商標は、上記のとおり、図形と文字との組み合わせからなるものであって、両者の間に密接な関連性が存するものとはいい難いものであるから、その構成態様とあいまって、両者が常に一体不可分のものとしてのみ認識されるとはいえず、それぞれが分離、観察され、取引に資される場合も少なくないもの
というのが相当である。」

 

「してみれば、本願商標は、その構成中の「SENTIRE」の文字に相応する「センティーレ」の称呼を生じるとみるのが自然であり、また、その構成中の図形部分を含め、特定の観念を生じることのないものである。」

 

 

 一方、引用商標1の

 

「下段の「センティール」の文字は、上段の「sentir」の文字の読みを特定するものと容易に理解され得るものであり、また、該「sentir」の文字は、「感じる」等の意味を有するフランス語(「ディコ仏和辞典」、2009年3月10日、第7刷、株式会社白水社発行)又はスペイン語(「小学館西和中辞典」、1992年4月10日、初版第5刷、株式会社小学館発行)として辞書に掲載されているものの、」

 

「我が国において、該文字が特定の語義を有する成語として一般に親しまれているとまではいい難いことから、これに接する取引者、需要者に、直ちに特定の意味を想起させることのない造語として認識されるというのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その各構成文字に相応する「センティール」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じることのないものである。」

 

 また、引用商標2の

 

「下段の「センティーラ」の文字は、上段の「SENTIRA」の文字の読みを特定するものと容易に理解され得るものであり、また、該各文字は、いずれも辞書類に載録された成語とは認められず、かつ、特定の語義を有する成語として一般に親しまれているものともいえないことからすれば、」

 

「特定の観念を有することのない一種の造語として認識されるというのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その各構成文字に相応する「センティーラ」の称呼を生じ、また、特定の観念を生じることのないものである。」

 

 そこで、両者を比較すると、

 

「両者の構成は、それぞれ上記のとおりであって、明らかに相違するものであるから、外観において相紛れるおそれはない。」

 

「また、本願商標から生じる「センティーレ」の称呼と引用商標から生じる「センティール」又は「センティーラ」の称呼とを比較すると、「センティーレ」の称呼と「センティール」の称呼とでは、」

 

「その語尾音において「レ」と「ル」の音の差違、また、「センティーレ」の称呼と「センティーラ」の称呼とでは、その語尾音において「レ」と「ラ」の音の差違があるところ、」

 

「該差異音である「レ」、「ル」及び「ラ」は、いずれも弾音であって、比較的強く響く音であることに加え、それらの前音である「ティ」が長音を伴うこととあいまって、明瞭に発音されるといえるものであるから、」

 

「5音(長音含む。)という比較的短い音構成からなる各称呼において、上記差異音が称呼全体に及ぼす影響は、決して小さいものとはいえず、これらを一連に称呼するときは、全体の語調、語感が相違したものとなり、互いに聴き誤るおそれはないというべきである。」

 

「さらに、本願商標と引用商標とは、上記のとおり、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することができない。」

 

 として、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれはなく、ほかにこのような判断を左右するような取引の実情も見当たらないため、非類似の商標であるとされました。

 

 

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、称呼が類似する場合の商標の類否が問題となりました。

 

 比較的短い音構成からなる称呼では、1文字違いが称呼全体に及ぼす影響は、決して小さいものではありません。

 

 できるだけ短い音構成にして違いを目立たせることが真似とは言わせないツボになります。

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