登録第6489084号:「CENCE」、指定商品:第20,24類の各商品の商標は、

 

(1)登録第5896405号商標:

 

 「扇子」の漢字、及び「Sense」の欧文字を、上下二段に横書きした構成

 

(2)登録第5957865号商標:

 

 上段に、灰色系の色で「sleepertist」の欧文字、中段に大きく青色系の色で「sense」の欧文字及び下段に緑色系のグラデーション風の色彩を施した木の葉様の図形を配した構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2021-003121)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は、辞書等に掲載のない語であって、特定の観念を認識させない一種の造語といえるものであり、このような特定の語義を有しない欧文字からなる商標を称呼するときは、我が国で広く親しまれている英語風又はローマ字風の読みをもって称呼するのが一般的といえる。」

 

 そこで、

 

「「CE」については、子音「C」に母音を添えたローマ字は一般的に使用がみられない。他方、英単語の読みとしては、単語の冒頭の「CE」については、例えば、「center」や「century」など「セ」と発音する単語がある。また、単語の終わりの「CE」については、「chance」や「ace」など「ス」と発音する単語がある。

 

「これらの英単語は、我が国においても、慣れ親しまれた平易な英単語といえるから、これらの英語風の読みに倣い、本願商標からは、「センス」の称呼を生じるものとみるのが相当である。」

 

 したがって、

 

「「センス」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。」

 

 一方、引用商標1の

 

「「扇子」の文字は、「おうぎ」(広辞苑第7版 株式会社岩波書店)の意味を有する平易な語であり、また、「Sense」の文字は、「感覚、認識力、自覚、観念、思慮分別、感じ」(ベーシック ジーニアス英和辞典 株式会社大修館書店)の意味を有する平易な英語として、我が国において広く使用されているものである。」

 

 そうすると、

 

「「扇子」の漢字及び「Sense」の欧文字は、ともに「センス」の称呼を共通にするものの、両者は、二段に書されていることから視覚上分離して看取されるものである。」

 

「また、両者は異なる観念を生じる我が国において広く使用されている語であり、さらに、両者を結合して親しまれた熟語を形成しているものともいえないから、それぞれが独立して、取引者及び需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たし得るものである。」

 

 したがって、

 

「「扇子」及び「Sense」の文字部分のそれぞれに相応して「センス」の称呼、並びに「おうぎ」及び「感覚、認識力、自覚、観念、思慮分別、感じ」の観念を生じるものである。」

 

 引用商標2は、

 

「いずれの構成部分も、色彩、大きさを異にすることから、視覚上分離して看取されるものであることに加え、構成中の「sense」の欧文字が大きく顕著に表されおり、看者の注意をひくものといえる。」

 

 そうすると、

 

「その構成全体をもって認識し、把握されるとともに、「sense」の欧文字部分が、独立して、取引者及び需要者に対し商品の出所識別標識としての機能を果たす場合もあるといえる。」

 

 したがって、

 

「「sense」の欧文字部分に相応して「センス」の称呼及び「感覚、認識力、自覚、観念、思慮分別、感じ」の観念をも生じるものである。」

 

 そこでそれぞれを対比すると、

 

「構成全体の外観においては、明らかに区別できるものである。」

 

 また、

 

「「Sense」及び「sense」の欧文字部分とを比較しても、欧文字の大文字と小文字の差を有することに加え、僅か5文字という少ない文字構成においては、強く印象に残る第1文字目における「C」と「S(s)」の差異、及び、第4文字目における「C」と「s」の差異を有することにより、外観上与える印象が異なるものであるから、両者は判然と区別し得るものである。」

 

 称呼は、

 

「両者は「センス」の称呼を共通にするものである。」

 

 観念については、

 

「本願商標は特定の観念を有しないものであり、引用商標1は「おうぎ」及び「感覚、認識力、自覚、観念、思慮分別、感じ」の観念を生じ、引用商標2は「感覚、認識力、自覚、観念、思慮分別、感じ」の観念を生じるものであるから、本願商標と引用商標は、観念において紛れるおそれはない。」

 

 そうすると、

 

「称呼を共通にするとしても、外観において判然と区別し得るものであり、観念において紛れるおそれはないことから、」

 

 非類似の商標と判断されました。

 

 今回は、称呼が共通する商標との類似が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観や観念で識別できれば非類似になることがあります。

 

 外観や観念で違いをつくることが真似とは言わせないツボになります。

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