ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6248882号:欧文字の「L」字状の図と長方形を複数組み合わせた図形部分と、その右側に「LOVIE」の欧文字を表してなる構成、指定役務:第36類の「不動産投資,不動産投資に関する助言,不動産投資に関する情報の提供」の商標は、

 

(1)登録第4223104号商標:「La Vie」

 

(2)登録第5049818号商標:「LaVie」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-007251)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「図形部分と文字部分とは、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいい難く、視覚的に分離して看取されるものであり、図形部分と文字部分を一体として新たな観念を生ずる等、図形部分と文字部分を常に一体として把握すべき特段の事情は認められない。」

 

 そして、

 

「図形部分からは特定の称呼及び観念は生じず、「LOVIE」の欧文字は、一般的な辞書等には載録がなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。」

 

 また、

 

「一般的には、特定の意味合いを想起しない欧文字である場合、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼するとみるのが自然であるから、「LOVIE」の欧文字からは、「ロビー」又は「ロビエ」の称呼、あるいは、「ラビー」又は「ラビエ」の称呼を生ずるものというのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「「ロビー」又は「ロビエ」、あるいは、「ラビー」又は「ラビエ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標1は、

 

「その構成中「La」の文字はフランス語の定冠詞を、「Vie」の文字は、「人生、生活」等を意味する語として辞書に掲載されているものの(「クラウン仏和辞典 第7版」 株式会社三省堂)、かかる意味合いにおいて、我が国で一般的に知られている語とはいい難いことから、特定の意味合いを想起しない一種の造語として認識され、引用商標1からは特定の観念は生じないと判断するのが相当である。」

 

 また、

 

「「La Vie」は、特定の意味合いを想起しない欧文字であるため、英語読みに倣って「ラビー」又は「ラビエ」の称呼が生じるものである。」

 

 そうすると、

 

「「ラビー」又は「ラビエ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

 また、引用商標2は、

 

「一般的な辞書等には載録がなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。」

 

 また、

 

「「LaVie」は、特定の意味合いを想起しない欧文字であるため、英語読みに倣って「ラビー」又は「ラビエ」の称呼が生じるものである。」

 

 そうすると、

 

「「ラビー」又は「ラビエ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

 そこでこれらを比較すると、

 

「全体の比較においては図形の有無という顕著な相異がある上、文字部分の比較においても、その外観において、本願商標の欧文字部分はすべて大文字で表されているのに対し、引用各商標は「L」と「V」が大文字で、その余の文字が小文字の「a」と「ie」で表され、欧文字のつづりも、第2文字目において「O」と「a」の相異があり、」

 

「引用商標1については、「La」と「Vie」の間に一字分のスペースがあるものであって、いずれも5文字という短い構成にあっては、これらの差異が両者の構成全体の印象に与える影響は小さくなく、両者は外観上、判然と区別し得るものである。」

 

 称呼については、

 

「本願商標から生じる「ロビー」又は「ロビエ」の称呼と引用各商標から生じる「ラビー」又は「ラビエ」の称呼とは、特に需要者の印象に残りやすい語頭において明らかな差異を有するものであるから、称呼上、明確に聴別されるものの、本願商標から生じる「ラビー」又は「ラビエ」の称呼は、引用各商標から生じる「ラビー」又は「ラビエ」の称呼と同一又は類似するものである。」

 

 観念については、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することができないものである。」

 

 そうすると、

 

「称呼において共通する場合があるとしても、観念において比較できず、外観において明らかな差異を有するものであるから、これらを総合して考察すれば、」

 

 非類似の商標とされました。

 

 今回は、称呼が同一の商標の類否が問題となりました。

 

 称呼が同一であっても、外観が大きく異なれば非類似になる場合があります。

 

 目立つ部分で異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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