ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6223820号:「PROVE」、指定商品・役務:第35類の「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理」です。

 

 

 ところが、この商標は、

 

 登録第5194437号商標:下端が鋭角で,左右不均等の太さ及び長さ(右側の方が細く長い)の凹状の線(黒色)を,上部を除く三方向を黄色の線で囲み,その右側に,上下の高さをおおむね揃えて,間隔を空けずに,「PROVE」の欧文字(黒色。「V」の文字の書体は右側の方が細い。)を表してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-012217)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の文字は

 

「「証明する」の意味を有する英語(「ジーニアス英和辞典 第5版」大修館書店)であるから,その構成文字に相応して,「プルーブ」の称呼,「証明する」の観念が生じる。」

 

 一方、引用商標の

 

「凹状の線は,欧文字部分と同色(黒色)で,間隔も空けず,連続してまとまりよく横並びに配置してなるところ,凹状の線の構成態様(右側の線の方が左側の線より細い。下端が鋭角。)も右の欧文字部分の「V」の欧文字の書体と共通する特徴を有することなどを踏まえると,引用商標は全体として「VPROVE」(語頭の「V」の文字は多少図案化してなる。)の欧文字を表したものと認識,看取できる。」

 

 そうすると、

 

「その構成全体に相応して,「ブイプルーブ」又は「ブイプローブ」の称呼を生じるが,全体として成語となるものではないから,特定の観念は生じない。」

 

 そこで、両者を比較すると、外観については、

 

「いずれも「PROVE」の構成文字を含むとしても,語頭の「V」の欧文字部分の有無に差異があるため,全体の印象として相違する。」

 

 称呼は、

 

「構成音及び音数の差異から,互いに聴別することは容易である。」

 

 観念は、

 

「引用商標からは特定の観念が生じないため,互いに比較できない。」

 

 したがって、

 

「外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはなく,」

 

 両商標は、非類似の商標とされました。

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 一部が共通していても、一体感がある商標に対しては非類似とされる場合があります。

 

 一体感をいかに出せるかが真似とは言わせないツボになります。

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