ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6210069号:上段は太文字でややデザイン化した「MOA」の文字と、「O」の文字の中に納まるように「BOOKs」の文字を組み合わせた構成よりなり、下段は「ブックスモア」の片仮名を横書きしてなる構成、指定商品・役務:第35類の「印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の商標は、

 

(1)登録第2081508号商標:

 

 太文字で書された「MOA」の欧文字と「エムオーエー」の片仮名を上下二段に表してなる構成

 

(2)登録第2325279号商標:

 

 赤色の線の同心円を年輪のように表した図形と、その下部に「エムオーエー」の片仮名を書してなる構成

 

(3)登録第2325280号商標:

 

 「M」と「A」の間に、赤色の線の同心円を年輪のように表した図形と、その下部に「エムオーエー」の片仮名を書してなる構成

 

(4)登録第5221752号商標:

 

 「MOA」及び「モア」の各文字を上下二段書きしてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-017174)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は、

 

「下段の片仮名は上段の読みを表したものと容易に理解できるものであるから、本願商標は、その構成文字に相応して、「ブックスモア」の称呼が生ずる。」

 

 また、

 

「「BOOKsMOA」及び「ブックスモア」の文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当であるから、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標1の

 

「上段の欧文字は、「モア,恐鳥:モア目モア科」の意味(「ランダムハウス英和大辞典」(第2版)学研プラス)を有する語として辞書に載録されているものの、我が国において一般に知られている語とは認められないものであるから、これに接した需要者にとって、一種の造語として理解されるというのが相当である。」

 

 そして、

 

「下段の片仮名は上段の読みを表したものと容易に理解できるものであるから、引用商標1は、その構成文字に相応して、「エムオーエー」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

 引用商標2の

 

「文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して「エムオーエー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 引用商標3の

 

「文字は、一般的な辞書等に載録されている語ではなく、特定の意味合いを有する語として知られているとも認められないものであるから、一種の造語として理解されるとみるのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して「エムオーエー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 引用商標4の

 

「上段の欧文字は、「モア,恐鳥:モア目モア科」の意味(「ランダムハウス英和大辞典」(第2版)学研プラス)を有する語として辞書に載録されているものの、我が国において一般に知られている語とは認められないものであるから、これに接した需要者にとって、一種の造語として理解されるというのが相当である。」

 

 そして、

 

「下段の片仮名は上段の読みを表したものと容易に理解できるものであるから、引用商標4は、その構成文字より、「モア」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

 

 そこで、それぞれ比較すると、外観については、

 

「その構成文字等が明らかに異なるものであるから、両商標は、外観上、判然と区別できるものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標から生じる「ブックスモア」の称呼と、引用商標から生じる「エムオーエー」及び「モア」の称呼は、それぞれの音構成及び構成音数が相違し、称呼上、明瞭に聴別できるものである。」

 

 さらに、観念は、

 

「いずれも特定の観念を生じないから、観念上、比較することができない。」

 

 したがって、

 

「観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明確に区別できるものであるから、」

 

 両商標は、非類似の商標とされました。

 

 

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 一部が共通していても、称呼を特定したフリガナがあれば、そちらの称呼が優先します。

 

 読み方を特定して違いを出すことが真似とは言わせないツボになります。

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