ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6197366号:「e−sheet」、指定商品・役務:第24類の「織物製カーテン,ビニール製カーテン,プラスチック製カーテン」の商標は、

 

 登録第4714733号商標:「ESHEET」

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-003828)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「「e」の文字は、アルファベットの文字の一つであるほか、「e−」の語は、「電子の、オンラインの、インターネットの」を意味する接頭辞(ジーニアス英和辞典 第5版)であって、近年、広く一般に「e−mail」(電子メール)、「e−business」(電子媒体を活用した商取引や企業活動)、「e−commerce」(電子商取引)(いずれも「株式会社岩波書店 広辞苑第六版」参照)などのように使用されている語であり、」

 

「構成中の「sheet」の文字は、「雨よけなどに使う布やビニール」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版参照)などの意味を有する親しまれた語である。」

 

 そうすると、

 

「その全体から特定の観念を生じるものではないものの、これに接する需要者、取引者をして、電子に関するものを表示する「e−」と「sheet」を組み合わせたものという程度は想起し、認識するものということができる。」

 

 また、

 

「これを構成する文字に相応して、「イーシート」の称呼を生じるものである。」

 

 一方、引用商標の

 

「欧文字は、辞書等に載録されておらず、一般に親しまれた語でもないから、一種の造語であると解され、特定の観念を生じるものではない。」

 

 また、

 

「該欧文字は、造語であり常に特定の称呼が生じるものではないが、欧文字で書された造語にあっては、ローマ字読み風又は我が国で親しまれた外国語である英語読み風をもって称呼するのが一般的であるから、」

 

「構成文字全体に相応して、「イーシート」「イーエスヒート」、「エスヒート」又は「エシート」といった称呼を生じ得るものである。」

 

 

 そこで、両者を比較すると、外観においては、

 

「構成する欧文字のつづりを共通にするものの、「−」(ハイフン)の有無や大文字、小文字の相違があり明らかな差異を有するから、外観において相紛れるおそれのないものである。」

 

 また、

 

「称呼を比較すると、互いに「イーシート」の称呼を共通にする場合と、構成音や構成音数の明らかな違いにより容易に聴別できる場合があるといえる。」

 

 観念は、

 

「本願商標からは、少なくとも電子に関するものを表示する「e−」と「sheet」を組み合わせたものという程度は想起し、認識するものということができるのに対し、引用商標からは特定の観念を生じないから、両商標は、観念上相紛れるおそれのないものである。」

 

 そうすると、

 

「引用商標とは、共に複数生じる称呼のうち1つを共通にする場合があるとしても、外観において明確に区別することができ、観念においても相紛れるおそれがあるとはいえないことから、」

 

 非類似の商標であるとされました。

 

 

 今回は、一部の称呼が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 称呼が共通していても、外観で明確に識別でき、観念も相紛れることがなければ非類似になる場合があります。

 

 見た目で大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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