ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6185387号:上段に「Curry Restaurant」の欧文字を横一連にやや小さく表し、中段には、上段よりも横幅をとって「Bruno」の欧文字を大きく横書きし、下段には、「SINCE 1979」の欧文字及び数字を、やや小さく横一連に表した構成、指定商品・役務:第43類の「カレーを主とする飲食物の提供」の商標は、

 

 国際登録第950182号商標:茶色で塗りつぶした円図形内の上部に、「TERRES DE TRUFFES」の欧文字を、白抜きで円周に沿って表し、同図形の下部にも、同欧文字及び菱形状の図形を、薄茶色で円周に沿って表しており、円図形の中央には、白色と灰色のまだら模様で、上部に緩やかな膨らみを持ち、下部にはへこみを有する略楕円型図形を配し、その中央には、白線の枠を有する茶色の楕円型を配し、その内側に「Bruno」の欧文字を特殊な筆記体風の書体で表した構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-012117)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「上段の「Curry」及び「Restaurant」の文字は、それぞれ「カレー料理」、「料理店」を意味する英語(ジーニアス英和辞典第5版 株式会社大修館書店)であって、これらは我が国において親しまれたものといえるものであるから、「Curry Restaurant」の文字は、「カレー料理店」の意味合いを
容易に認識させるものである。」

 

 そして、

 

「中段の「Bruno」の文字は、「男子の名」を意味する英語(ランダムハウス英和大辞典第2版 株式会社小学館)であるものの、これは、我が国において親しまれたものとはいえないから、特定の観念を認識させない一種の造語といえるものである。」

 

 また、

 

「下段の「SINCE」の文字は、「〜〜から、〜〜以来」を意味する英語(ジーニアス英和辞典第5版 株式会社大修館書店)であって、我が国において親しまれたものであるから、本願商標に接する取引者、需要者は、「SINCE 1979」の文字より、「1979年以来、1979年創業」程の意味合いを容易に認識するといえる。」

 

 そうすると、

 

「「Curry Restaurant」及び「SINCE 1979」の文字は、1979年から営業しているカレー料理店の役務であるという、役務の質(内容)を認識させるものといえ、これらの部分は、役務の出所識別標識としては機能し得ないものというのが相当である。」

 

 また、

 

「「Bruno」の文字は、指定役務との関係において、役務の質や内容を表すものとはいえず、出所識別標識として機能し得るものであって、その外観も、本願商標の構成中、一際大きく顕著に表されているものである。」

 

 そうすると、

 

「構成中の「Bruno」の文字部分が、これに接する取引者、需要者に、出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものといえるから、取引者、需要者は、該文字部分をもって取引にあたる場合もあるというのが相当であって、」

 

「該文字部分を要部として、他の商標との類否を判断することも許されるというのが相当である。」

 

 してみれば、

 

「「Bruno」の文字に相応して、「ブルーノ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

 一方、引用商標の

 

「上方と下方にある「TERRES」、「DE」、「TRUFFES」の文字は、それぞれ「土地」、「〜の」、「トリュフ」の意味を有するフランス語(クラウン仏和辞典第7版 株式会社三省堂)であるものの、これらは一体となって、特定の観念を認識させる語として、我が国において親しまれたものとはいえず、「TERRES 
DE TRUFFES」の文字は、特定の観念を認識させない一種の造語といえるものであるから、該文字部分よりは、「テールドゥトリュフ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

 また、

 

「構成中の中央に配された図形は、我が国において特定の事物を表すものとして認識されているというべき事情は認められないものであるから、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。」

 

 加えて、

 

「中央の図形内に配された「Bruno」の文字は、「男子の名」の意味を有する英語(ランダムハウス英和大辞典第2版 株式会社小学館)であるものの、我が国において親しまれたものとはいえないから、当該文字は、特定の観念を認識させない一種の造語といえるものであるところ、」

 

「該文字は、円図形と同じ茶色を背景色として、特殊な筆記体風の書体で、一見して判読しづらい文字で表されており、引用商標に接する取引者、需要者に、出所識別標識としての強い印象を与えるものとはいい難いものであるから、該文字部分のみをもって取引に資されることはないというのが相当である。」

 

 そして、

 

「茶色で塗りつぶした円図形内に、全ての構成要素がまとまりよく表されており、これに接する取引者、需要者は、引用商標の全体をもって一体不可分の商標として認識、把握するとみるのが相当である。」

 

 また、

 

「その構成全体として、特定の事物を表すものとして、我が国において認識されているというべき事情は認められないものであるから、特定の観念を生じるものとはいえない。」

 

 してみれば、

 

「構成中の「TERRES DE TRUFFES」の文字に相応して「テールドゥトリュフ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

 そこで、両者を比較すると、

 

「それぞれの構成文字及び態様において、明らかな差異を有するものであるから、」

 

「外観上、明確に区別できるものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標から生じる「ブルーノ」の称呼と、引用商標から生じる「テールドゥトリュフ」の称呼とは、その音構成及び音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上、明瞭に聴別されるものである。」

 

 観念は、

 

「いずれの商標も特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。」

 

 そうすると、

 

「観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明らかに異なるものであるから、」

 

 両者は非類似の商標であるとされました。

 

 

 今回は、商標の構成の一部が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 一部が共通する場合があっても、その部分のみで識別される可能性が低ければ、非類似になる場合があります。

 

 一部が共通していても他のもので目立たせることが、真似とは言わせないツボになります。

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