ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6185296号:「UNICON」、指定商品・役務:第17類の「シリコーンゴムシート」の商標は、

 

 登録第5636707号商標:
 両端上がりの弧線とその両端部を「T」字型のような形状にした茶色の図形を上段に配置し、中段に「uniko」の欧文字、下段に「ユニコ」の片仮名を、共に図形部分と同色の茶色で書した構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-014154)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は、一般の辞書等には掲載がないことから、特定の意味を有しない造語を表したものといえる。」

 

「そして、特定の語義を有しない欧文字からなる商標については、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから、」

 

「その構成文字に相応して,「ユニコン」の称呼が生じるものである。」

 

 一方、引用商標の

 

「図形部分と文字部分とは明瞭に区別して認識することができるものである。」

 

 そして、

 

「図形部分は、特定の事物・事柄を表したものとは直ちに理解し難い構成からなるものといえるから、この部分から特定の称呼及び観念は生じないものと認められる。」

 

 また、

 

「文字部分の「uniko」の欧文字と「ユニコ」の片仮名は、共に一般の辞書等には掲載がないことから、特定の意味を有しない造語を表したものといえるが、片仮名部分は、上段の欧文字部分の読みを表したものと無理なく理解できるから、引用商標の文字部分からは、その構成文字に相応して「ユニコ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないというべきである。」

 

 つまり、

 

「引用商標は、図形部分と文字部分とが、視覚上分離して看取し得るものであり、また、観念上の繋がりもなく、両者を分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合されている事情は見いだせないものであるから、」

 

「図形部分と文字部分のそれぞれを出所識別標識としての機能を有する要部として認識、理解するというのが相当であり、要部である文字部分をもって他人の商標と比較して商標としての類否を判断することが許されるというべきである。」

 

 してみれば、

 

「その要部である文字部分における構成全体から「ユニコ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

 そこで、両者の文字部分を比較すると、

 

「両者は「U(u)」「N(n)」「I(i)」及び「O(o)」の欧文字のつづりを共通にするものの、大文字と小文字の相違、「C」と「k」の差異、「N」の欧文字及び「ユニコ」の片仮名の有無、並びに書体に明らかな差異を有するものであるから、外観上、明らかに異なるものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標から生じる「ユニコン」の称呼と、引用商標の要部である文字部分から生じる「ユニコ」の称呼とを比較すると、前者は4音からなるのに対し、後者は3音からなるものであり、両者は「ユニコ」の音を共通にし、語尾における「ン」の音の有無に差異を有するものである。」

 

「しかして、両称呼が4音又は3音という短い称呼であることから、1音の有無が両称呼全体に及ぼす影響は決して少なくないものといえるものであり、本願商標から生じる「ユニコン」の称呼も、1音1音が明確に聴取されるものといえることから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはないものといえる。」

 

 観念は、いずれも

 

「特定の観念は生じないため、観念において比較できないものである。」

 

 そうすると、

 

「外観において明らかに異なるものであり、称呼においても互いに聞き誤るおそれはないものであって、観念において相紛れるおそれはないから、」

 

 両者は非類似の商標であるとされました。

 

 

 今回は、一文字の有無による商標の類否が問題となりました。

 

 一文字の有無以外は共通する場合があっても、商標全体が短いものであれば、違いが大きくなって非類似になる場合があります。

 

 短い構成にすることが、真似とは言わせないツボになります。

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