ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6077912号:一部を白抜きした黒色の曲線を有するアルファベットの「v」をモチーフとした図形の右側に、「vene」の欧文字を書してなる構成、指定商品:第28類の各商品の商標は、

 

(1)登録第4910376号:

 

 「BENE」の欧文字及び「ベネ」の片仮名を上下二段に書してなる構成

 

(2)登録第5805656号、登録第5805048号:

 

 「ベネ」の片仮名及び「Bene」の欧文字を上下二段に書してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-003603号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「図形部分と文字部分は、間隔を設けて配置されていることから、両者は視覚上、明確に分離して看取されるものである。」

 

 そして、

 

「図形部分は、何らかの意味合いを直ちに想起させるものではないから、特定の称呼及び観念は生じないものである。」

 

 また、

 

「文字部分を構成する「vene」の欧文字は、「静脈」の意味を表すドイツ語として、辞書に載録が認められるものの、我が国において広く知られている語とは認められないから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるとみるのが相当であるところ、」

 

「欧文字からなる造語の場合は、我が国で一般に普及したローマ字又は英語の読みに倣って称呼されるものであるから、該文字は、ローマ字風に読めば、「ベネ」の称呼を、我が国において親しまれた英語の「vehicle」(ヴィークル)や「Venus」(ヴィーナス)の読みに倣えば、「ヴィーネ」の称呼をも生じるものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成上、図形部分と文字部分とは、それぞれが分離して看取されるものであって、かつ、観念上のつながりもないことから、その構成中の図形部分と文字部分とが常に不可分一体のものとしてのみ認識されるものとはいい難いものである。」

 

 してみれば、

 

「図形部分及び「vene」の文字部分(以下「要部」という場合がある。)が、要部としてそれぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。」

 

 したがって、

 

「「vene」の文字部分に相応して、「ベネ」又は「ヴィーネ」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標1、2及び3は、

 

「その構成中の「BENE」及び「Bene」の文字は、「善」又は「良」の意味を有する英語として、辞書に載録が認められるものの、我が国において広く一般に知られている語とは認められないから、特定の語義を有しない一種の造語として理解されるとみるのが相当であり、また、その構成中の「ベネ」の片仮名は、
「BENE」又は「Bene」のそれぞれの読みを表すと無理なく理解されるものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して、「ベネ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。」

 

 

 そこで両者を対比すると、外観は、

 

「両商標は、図形の有無の差異を有することから、全体の構成を異にするものである。」

 

 また、「vene」と、「BENE」及び「Bene」とは、

 

「最も目立つ語頭の文字が「v」と「B」とで相違するものであり、この差異は、全体を構成する文字数が4文字と少ない文字数においては、それぞれが異なる語であるとの印象を強く与えるものであることに加えて、その書体においても差異を有することからすれば、両者は、その印象が著しく相違するものである。」

 

 そうすると、

 

「外観上、判然と区別し得るものである。」

 

 称呼は、本願商標は、

 

「「ベネ」又は「ヴィーネ」の称呼を生じるものであり、」

 

 引用商標は、

 

「「ベネ」の称呼が生じるものであるから、両者は、「ベネ」の称呼を共通にする場合があるものである。」

 

 観念は、ともに

 

「特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、比較することができない。」

 

 として、

 

「「ベネ」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観においては、全体の構成を異にし、」

 

「構成文字に目立った差異を有するものであって、その印象が相違し、判然と区別し得るものであるから、称呼の共通性が外観における差異を凌駕するとはいい難く、また、観念においては、比較することができないものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、」

 

 両者は相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 

 今回は、称呼の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 称呼の一部が共通していてもその他の要素が大きく相違する場合には非類似になる場合があります。

 

 大きな違いを少しでも作ることが真似とは言わせないツボになります。

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