ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6071334号:「SOWA」の欧文字を,丸みを帯びた肉太な字体で横書きしてなり,末尾の「A」の文字は,左右非対称にやや特徴的に表し,構成文字は全て緑色で表されている構成、指定商品:第25類の各商品の商標は、

 

 登録第5144981号:「爽和」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-006665号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「「SOWA」の欧文字は,辞書等に載録された成語ではなく,また,本願の指定商品を取り扱う分野において特定の意味合いを表す語として使用されている実情も見受けられないことから,特定の意味合いを有しない造語を表したものといえる。」

 

「特定の語義を有しない欧文字からなる商標については,我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の発音をもって称呼されるのが一般的といえるから,」

 

「その構成文字に相応して,「ソーワ」又は「ソワ」の称呼を生じ得る。」

 

 また、

 

「特定の観念は生じないものと認められる。」

 

 観念についてみると,

 

 一方、引用商標は、

 

「構成文字に相応して,これを音読みした「ソウワ」及び訓読みした「サワワ」の称呼が生じるほか,音読みした場合の「ソウワ」の第2音「ウ」の音が直前の「ソ」([so])の音の母音「o」に続けて発音されることにより,該「ソ」の音の長音のように発音されることも一般的であることからすると,「ソーワ」の称呼をも生じるといえる。」

 

「引用商標を構成する「爽和」の漢字は,辞書等に載録された成語であるとは認められないものの,「爽」及び「和」の各文字は,共に親しまれた漢字であって,一般人にとって観念を容易に想起し得る漢字であり,また,2文字程度の漢字を組み合わせた単語について,これを構成する文字からその意味を理解することも通常のことである。」

 

 そうすると,

 

「「爽和」の文字は,「爽」から生じる「さわやか」と「和」から生じる「なごやか」との観念を組み合わせた,「爽やかで和やか」程度の意味合いを認識させるものといえる。」

 

 以上によれば,

 

「「ソウワ」,「ソーワ」又は「サワワ」の称呼が生じ,「爽やかで和やか」程度の観念を生じるものと認められる。」

 

 

 そこで両者を対比すると、外観は、

 

「文字の色彩,文字種(欧文字と漢字),文字数及び書体が相違し,明らかに異なるものである。」

 

 称呼は、

 

「それぞれ複数の称呼が生じるから,両商標の称呼は,共通又は類似する場合(「ソーワ」が共通。本願商標の「ソーワ」と引用商標の「ソウワ」とは類似。)と異なる場合(本願商標の「ソーワ」と引用商標の「サワワ」とは非類似,本願商標の「ソワ」と引用商標の「ソウワ」,「ソーワ」又は「サワワ」とは非類似。)があり得る。」

 

 観念は、

 

「本願商標から特定の観念が生じないのに対し,引用商標からは「爽やかで和やか」程度の観念を生じ得ることから,両者は観念において相紛れるおそれはない。」

 

 そうすると、

 

「外観において明らかに相違し,観念上も相紛れるおそれはなく,称呼上も,共通又は類似する場合だけでなく異なる場合もあるから,」

 

 両者は相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 

 今回は、称呼が同一となる場合がある商標の類似が問題となりました。

 

 称呼が同一の場合があっても異なる場合もあり、かつ、外観や観念が大きく異なる場合には非類似になります。

 

 外観や観念で大きく異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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