ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6058640号:「PERVASIVE」の文字をやや太字の灰色で表し,続く「DISPLAYS」の文字を黒色で表すとともに,その7文字目の「I」と11文字目の「I」に繋がるように,8文字目から10文字目の「VED」の上下に灰色で引かれた平行線の両端を丸めた括弧状の線図形を配した構成、指定商品:第9類の「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電子タグ」の商標は、

 

(1)登録第4101139号:「PERVASIVE SOFTWARE」

 

(2)登録第4917435号:「PE」の欧文字と,「R」の欧文字と「V」の欧文字を重ね合わせてややデザイン化した文字及び「ASIVE」の欧文字を横書きしてなる構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2018-001685号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標を構成する文字は、

 

「色彩は異なるが,同大,等間隔にまとまりよく表されているものであって,その7文字目の「I」と11文字目の「I」につながるように配されている括弧状の線図形とも相まって,」

 

「全体がまとまりよく構成されているというのが相当であることから,外観上,構成全体で一体不可分のものとして認識し,把握されるものである。」

 

 そして,

 

「「PERVASIVE」の欧文字は,「広く行き渡らせる。普及させる」等の意味を有する英単語であり,また,「DISPLAYS」の欧文字は,「ディスプレー(装置)。表示(装置)。ブラウン管や液晶画面に文字や図形を表示すること,およびその装置。」等の意味(ともにランダムハウス英和大辞典 第2版 小学館)を有する英語の複数形として一般に広く親しまれているものであるものの,」

 

「その構成全体が,これに接する者に直ちに何らかの意味合いを認識させるものとはいい難く,全体をもって一体不可分の造語として認識するのが自然である。」

 

 そうすると,

 

「その構成文字に相応して,「パーベイシブディスプレイズ」の称呼のみが生じ,特定の観念は生じないものである。」

 

 一方、引用商標1の

 

「後半の「SOFTWARE」の文字部分は,その指定商品との関係において,「電子計算機にかけられるプログラム・規則・手続きなどの総称。特に,(製品化された)プログラム。」を意味する(リーダーズ英和辞典 初版 株式会社研究社)英語として一般に広く親しまれていることから,」

 

「その指定商品との関係において,商品の品質を表し,自他商品の識別標識としての機能を有しないか,極めて弱いといえるものであるから,前半の「PERVASIVE」の文字部分が看者の注意を若き,強く印象づけられるものであって,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るとみるのが相当である。」

 

 そうすると,

 

「構成中,最も強く印象に残るのは,「PERVASIVE」の文字部分であるということができるから,本願商標と引用商標との類否判断に際して,当該「PERVASIVE」の文字部分を要部として取り出すことができるというべきである。」

 

 してみれば,

 

「その構成文字全体に相応して,「パーベイシブソフトウェア」の称呼を生ずるほかに,要部である「PERVASIVE」の文字に相応して「パーベイシブ」の称呼をも生ずるといえるものであり,特定の観念を生じないものである。」

 

 また、引用商標2は、

 

「構成全体として「PERVASIVE」の欧文字を表したものと容易に看取されるものである。」

 

 そして,

 

「該文字は,同じ書体で外観上まとまりよく一体に表されているものであり,これより生じる「パーベイシブ」の称呼も特別冗長でもなく,無理なく一連に称呼できるものである。」

 

 してみれば,

 

「その構成文字に相応して「パーベイシブ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 そこでこれらを対比すると、

 

「外観においては,両者は,それぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成からなるところ,引用商標とは明白な差異を有するものであるから,両者は,外観上十分に区別できるものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標から生ずる「パーベイシブディスプレイズ」と,引用商標1から生ずる「パーベイシブソフトウェア」の称呼と比較すると,それぞれの音構成中後半部分の「ディスプレイズ」と「ソフトウエア」の音が異なるものである。」

 

 また,

 

「引用商標1及び2から生ずる「パーベイシブ」の称呼と比較しても,「ディスプレイズ」の音の有無において差異を有するものである。そうすると,本願商標と引用商標とは,その音構成および音数において明白な差異を有するものであるから,両者は,称呼上明確に聴別できるものである。」

 

 観念は、

 

「両者は,ともに一連の造語と理解され,特定の観念を生じないものであり,観念上比較することができない。」

 

 として、相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 一部が共通していても、全体で一体となった構成であれば、その部分を独立して認識することはないといえます。

 

 一体感を出すことが真似とは言わせないツボになります。

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