ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6045587号:筆記体で表された欧文字「i」を二つ並べたような図形であって、赤、青及び黄色により彩色されたもの、黒色の「imuraya」の文字並びに青の同系色により彩色され、同じ書体及び大きさで表された「MO」及び「CHI」の各文字を四段に配してなる構成、指定商品:第29,30,31,32,43類の各商品・役務の商標は、

 

 登録第3019369号:横書きした「いむらや」の文字の構成中の「むら」の文字部分を語頭の「い」及び語尾の「や」の文字よりも小さい文字で表したことで生じる凹部にはまるように「味の道くさ」の文字を配してなる構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-007937号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「「MO」及び「CHI」の文字部分は、その構成態様によれば、「MOCHI」の文字を二段に表したものと看取、理解され、本願の指定役務との関係においては、食物の「餅」を連想、想起させることも少なくなく、自他役務の識別力が強いとはいい難い。」

 

 また、

 

「図形部分は、その構成態様はもとより、請求人の主張を考慮してもなお、特定の称呼及び観念を生じさせるような具体的なものとは認められない。」

 

 そうすると、

 

「需要者は、その構成中、小さくとも平易な文字で表された「imuraya」の文字を記憶し、取引に資する場合があるというべきである。」

 

 してみると、

 

「これに接する需要者をして、その構成中の「imuraya」の文字部分が強く印象付けられ、記憶されるものであり、当該文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすといえる。」

 

 したがって、

 

「その構成中の「imuraya」の文字部分に相応する「イムラヤ」の称呼を生じるものであり、また、当該文字自体から特定の意味合いを生じるとまではいい難いことからすれば、特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「横書きした「いむらや」の文字の構成中の「むら」の文字部分を語頭の「い」及び語尾の「や」の文字よりも小さい文字で表したことで生じる凹部にはまるように「味の道くさ」の文字を配してなるものであるから、視覚上、その構成全体がまとまりよく一体的なものとして看取、把握されるものである。」

 

 また、

 

「構成文字全体から生じる「アジノミチクサイムラヤ」の称呼も、一息に称呼し得るものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成全体から、「アジノミチクサイムラヤ」の称呼のみを生ずるものであり、また、その構成全体をもって特定の意味合いを生じるとまではいい難いことからすれば、特定の観念を生じないものである。」

 

 そこで、両者を対比すると、

 

「その構成全体による比較において、外観から受ける視覚的印象が著しく相違するものであり、」

 

 また、

 

「独立して自他役務の識別標識としての機能を果たす「imuraya」の文字部分と引用商標との比較においても、それぞれの文字構成、文字数及び文字の種類が明らかに相違するものであるから、外観上、両者が相紛れるおそれはない。」

 

 また、

 

「本願商標から生じる「イムラヤ」の称呼と引用商標から生じる「アジノミチクサイムラヤ」の称呼とは、「アジノミチクサ」の音の有無という差異があるから、本願商標と引用商標とは、称呼上、相紛れるおそれはない。」

 

 さらに、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、両商標を比較することはできない。 」

 

 として、

 

「観念において比較することができないものであるとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのないものであるから、」

 

 両商標は、互いに非類似の商標とされました。

 

 

 今回は、一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 一部が共通しても全体として相紛れるおそれがなければ非類似となります。

 

 どの部分で一体感を形成するか工夫することが真似とは言わせないツボになります。

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