ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第6029226号:「GUEST HOUSE 心家」、指定役務:第36,43類の各役務の商標は、

 

 登録第4634316号商標:「こころ屋」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-013167号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「構成文字は、同じ書体、同じ大きさで、外観上まとまりよく一体に表されているものであり、その構成文字全体から生じる「ゲストハウスココロヤ」の称呼も、格別冗長ではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。」

 

 そして、

 

「「GUEST HOUSE」の文字部分は、例えば、株式会社研究社「新英和中辞典」の「guesthouse」の項には、「 (高級)下宿、 簡易ホテル、 ゲストハウス」の記載があることから、該文字部分からは、「宿泊施設」程の漠然とした意味合いを理解させるものであり、」

 

「「『心家』という名称の宿泊施設(ゲストハウス)」程の意味合いを想起させ、「心家」の文字部分を自他役務の識別標識としての機能を発揮する要部と捉える場合があるとしても、引用商標と抵触する役務である「飲食物の提供」との関係においては、「GUEST HOUSE」の文字部分が、例えば、「西洋料理店」を意味する語である「Restaurant(レストラン)」などのように、飲食物を提供する場所や施設を表す語として一般に親しまれている事情は見いだせない。」

 

 そうすると、

 

「「GUEST HOUSE」の文字部分が、「飲食物の提供」の役務の具体的な提供の場所等を表し、識別力が弱い文字であるとはいい難く、」

 

 また、

 

「同書、同大でまとまりよく表された構成からなることから、殊更、その構成中の「GUEST HOUSE」の文字部分を捨象して、「心家」の文字部分のみが自他役務の識別標識としての機能を果たすとみるべき格別の事情はないというべきである。」

 

 してみれば、

 

「その構成文字に相応して「ゲストハウスココロヤ」の称呼を生じ、「『心家』という名称の宿泊施設(ゲストハウス)」の観念を生じるものである。]

 

 一方、引用商標の

 

「文字は、辞書等に載録のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として理解されるものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成文字に相応して「ココロヤ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 」

 

 

 そこで、両者を対比すると、

 

「外観においては、その構成文字及び構成態様において明らかな差異を有するものであるから、外観上、明確に区別できるものである。」

 

 つぎに、称呼においては、

 

「本願商標から生じる「ゲストハウスココロヤ」の称呼と引用商標から生じる「ココロヤ」の称呼とは、その音構成及び音数において明らかな差異を有するものであるから、称呼上、明確に聴別されるものである。」

 

 観念については、

 

「本願商標からは、「『心家』という名称の宿泊施設(ゲストハウス)」の観念が生じるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。」

 

 として、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標であるとされました。

 

 

 今回は、一部の構成が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 共通する部分があっても全体として区別できる場合には両者は非類似とされます。

 

 全体で異なるようにすることが、真似とは言わせないツボになります。

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