ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5997771号：「京夢庵」、指定商品：第３５類の「菓子、くずきり、こんにゃく及びところてんの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する
便益の提供」の商標は、

　登録第3272082、3315295、4480821、5268541号商標：何れも「夢庵」を含む構成

　と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

　そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判（不服2017-010416号）が請求されました。

　では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

　まず、この商標の

「構成文字は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体に表されているものであり、その構成文字の全体から生じる「キョームアン」又は「キョーユメアン」の称呼も、格別冗長ではなく、無理なく一連に称呼し得るものである。」

　そして、

「該文字は、辞書等に載録のないものであって、特定の意味合いを想起させることのない一種の造語として認識されるものである。

　そうすると、

「その構成中の「京」の文字が「京都の特称。」等の意味（株式会社岩波書店「広辞苑第六版」）を有するものであるとしても、かかる構成においては、本願商標に接する取引者、需要者が、「京」の文字部分を捨象し、「夢庵」の文字部分のみに着目して取引に資されるとみるべき特段の事情は見いだせず、その構成文字全体をもって一体不可分のものと認識、把握し、取引に資されるというのが相当である。」

　してみれば、

「その構成文字に相応して「キョームアン」又は「キョーユメアン」の一連の称呼のみを生ずるものというべきである。」

　として、

「「ムアン」又は「ユメアン」の称呼をも生じるとし、その上で、本願商標と引用商標とが称呼上類似する」との判断は妥当でない、

　とされました。

　今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

　商標の一部が共通していても、全体で一体感があれば非類似になる場合が多いです。

　できるだけ短い構成にして一体感を出すことが真似とは言わせないツボになることがあります。