ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5995958号:「ロケーションUSBドングル」、指定商品:第9類の「USBドングル」の商標は、

 

 登録第5863255号商標:電波の受信状況を表すものと思しき小さな図形を左上部に配した袋文字で表された「u」の欧文字と、黒で塗りつぶされた「Lo
cation」の欧文字(その構成中の「i」の点部分はやや図案化されている)を筆記体風の特徴的な書体により横書きしてなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-007660号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「構成は、「ロケーション」の片仮名、「USB」の欧文字及び「ドングル」の片仮名を結合してなるものである。」

 

 そして、

 

「その構成中、「USB」の欧文字及び「ドングル」の片仮名からなる「USBドングル」の語は、「USBポートに差し込んで使用する、アプリケーションソフトの不正利用を防止するための小型装置」の意味で、本願の指定商品の一般名称を表すことから、それのみでは自他商品識別標識としての機能を有しないものといえる。」

 

「他方、「ロケーション」の文字部分は、「場所、位置」の意味を有する外来語であって、観念上、「USBドングル」の文字と常に一体的に認識、把握されるともいえないものであり、該部分から生じる称呼、観念をもって取引に資される場合もあり得るといえる。」

 

 そうすると、

 

「その構成全体の構成文字に相応して、「ロケーションユーエスビードングル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものであり、また、構成中の「ロケーション」の文字部分に相応して「ロケーション」の称呼及び「場所、位置」の観念を生ずるものである。」

 

 一方、引用商標の

 

「構成要素は近接してまとまりよく配され、一体的な印象を与えるものである。」

 

 そして、

 

「「u」の欧文字部分と「Location」の欧文字とは、白抜きで表されたものであるか黒で塗りつぶされてなるものであるかの違いはあるものの、両者の書体はほぼ同様のものと認められるものであって、かつ、横一列に連結して配されていることから、これらを結合した「uLocation」の欧文字は不可分一体のものとして理解、認識されるとみるのが相当である。」

 

 また、

 

「これより生ずる「ユーロケーション」の称呼もさほど長い音構成でもなく、無理なく一連に称呼し得るものである。」

 

 そうすると、

 

「中央に大きく表された「uLocation」の文字部分に相応して、「ユーロケーション」の称呼のみを生じるものであって、特定の観念を生じないものとみるのが相当である。」

 

 そこで両者を比較すると、外観については、

 

「文字の種類、書体、文字つづり及び図形の有無において著しい差異があるから、両商標は明確に判別されるものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標からは「ロケーションユーエスビードングル」及び「ロケーション」の称呼を、引用商標からは「ユーロケーション」の称呼を生ずるものであるところ、」

 

「「ロケーションユーエスビードングル」の称呼と「ユーロケーション」の称呼との比較においては、構成音及び構成音数において明らかな差異を有し、」

 

「また、「ロケーション」と「ユーロケーション」の称呼にあっては、最も聴取しやすい語頭音の「ユー」の有無において差異があり、この差異音が両称呼に与える影響は少なくないから、それぞれを一連に称呼した場合には、語調、語感を異にし、互いに聴別し得るものである。 」

 

 観念は、

 

「本願商標は、構成全体からは特定の観念を生じないが、「Location」の文字部分に相応して「場所、位置」の観念が生じるのに対し、引用商標は、特定の観念を想起させないものであり、観念上、比較することはできないものである。」

 

 として、

 

「観念において比較できないとしても、外観及び称呼において明らかに相違するものであるから、これらを総合的に勘案すれば、取引者、需要者に与える印象、記憶が異なり、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合においても、商品の出所について混同を生ずるおそれのない、非類似の商標というべきである。」とされました。

 

 

 今回は、商標の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 商標の一部が共通していても、全体で一体感があるものは分離して認識されないとして非類似になる場合が多いです。

 

 一体感があるものに対してはその一部だけの使用も真似とは言わせないツボになることがあります。

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