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登録第5925505号:「Dfct」の欧文字と、「デーファクト」の片仮名を、上下2段に横書きしてなる構成、指定商品・役務:第9,11,37,41,42類の各商品・役務の商標は、
登録第4413829号商標:
「DE−FACTO」の文字と、「デファクト」の片仮名を、上下2段に横書きしてなる構成
等と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-015535号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「上段の「Dfct」の欧文字は、ローマ文字の4文字よりなるものと容易に看取、把握されるというのが相当であり、該文字部分に相応して、「ディーエフシイティー」の称呼が生じ、また、下段の「デーファクト」の文字からは、該文字に相応して「デーファクト」の称呼が生じるものである。」
そして、
「「Dfct」及び「デーファクト」の文字は、いずれも辞書類に載録されている成語とは認められず、また、直ちに特定の意味合いを想起させる語として一般に慣れ親しまれているとも認め難いことからすれば、本願商標は、特定の意味を有することのない一種の造語として看取、把握されるものとみるのが相当であるから、これより特定の観念は生じない。」
一方、引用商標の
「下段の片仮名は、上段の欧文字の読みを特定したものとみるのが相当であり、該片仮名に相応して、「デファクト」の称呼が生じるものである。」
そして、
「その構成中、「DE−FACTO」及び「デファクト」の文字が、「事実上の」の意味(自由国民社「現代用語の基礎知識2016」)を有する語であるから、「事実上の」の観念が生じるものである。」
そこで、両者を対比すると、外観は、
「それぞれの構成文字及び構成文字数が相違し、かつ、構成態様においても、両者は明らかに相違するものであるから、両商標は、外観上、判然と区別し得るものである。」
次に、称呼については、
「その構成音及び音数などが明らかに相違するものであるから、両称呼は、称呼上、明確に聴別できるものである。」
また、
「語頭の「デ」の音に、長音が伴うか否かの差異を有するものであるが、両者は共に比較的短い音構成であることからすれば、該長音の有無の差異が、両称呼に及ぼす影響が決して小さいものとはいえず、」
「また、一般的に長音の前の音は比較的強く発音されることからすれば、本願商標は、「デー」の音と、「ファクト」の音を、区切るように、それぞれが明確に発音して称呼されるのに対し、引用商標は、2音目の「ファ」の音にアクセントが置かれ、一息に短く「デファクト」と称呼されるというのが自然であるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合には、その語調、語感が異なり、称呼上、相紛れるおそれはないものというべきである。」
さらに、観念については、
「本願商標からは、特定の観念が生じないのに対し、引用商標からは、「事実上の」の観念が生じるものであるから、観念においては、比較することができないとしても、両者は、観念上、類似するとはいえないものである。」
として、
「外観及び称呼において、明確に区別できる差異を有しており、観念においては、類似するものではないから、」
両商標は、非類似の商標とされました。
今回は、称呼の一部が共通する商標の類似が問題となりました。
称呼の一部が共通していても一連に称呼したときに語調、語感が異なるのであれば違いが出てきます。
語調、語感を異ならせることが真似とは言わせないツボになります。
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