ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5866875号:「野村SMA(エグゼクティブ・ラップ)」、指定商品・役務:第36類の各役務の商標は、

 

 登録第5321719号:「中央三井のエグゼクティブ・ラップ」

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-002845号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「「野村」の文字は、請求人の名称「野村證券株式会社」の一部分であり、「SMA」の文字は、「セパレートリー・マネージド・アカウント(Separately Managed Account)」の略称で、「投資家から委託された資金を、個々の投資家の運用ニーズを反映して専門の運用会社が運用する口座。」(「知恵蔵2015」から引用。)の意味を有する語である。」

 

 そして、

 

「「エグゼクティブ・ラップ」の文字部分については、「エグゼクティブ」の文字が「企業などの上級管理職。経営幹部。重役。転じて、高級。ぜいたく。」(「デジタル大辞泉」から引用。)等の意味を有し、金融に関連する分野において、「富裕層」ほどの意味合いを理解させる語として普通に使用されているものであり」

 

「「ラップ」の文字が「金融機関と投資一任契約を結び、金融商品への投資を金融機関に一任する取引口座、ひいてはそのサービス自体のこと。」の意味を有する「ラップ口座」(一般社団法人投資信託協会ホームページ中の「用語集」から引用。)を表す語として、本願の指定役務に関係する証券会社及び信託銀行の分野において、普通に使用されているものである。」

 

 そうすると、

 

「「エグゼクティブ」と「ラップ」の文字とを中点を介して表した「エグゼクティブ・ラップ」の文字は、「富裕層が金融機関に一任する投資取引口座」ほどの意味を理解させるものであり、金融に関連する分野においては、自他役務の識別標識としての機能が弱いといえるものである。」

 

 してみれば、

 

「「野村」の文字とそれに続く「SMA」の文字とを合わせた「野村SMA」の文字部分が、自他役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分といえるものであるから、かかる構成においては、「(エグゼクティブ・ラップ)」の文字部分のみを捉えて商取引に資するものとはいい難く、」

 

「むしろ構成全体をもって認識され、把握され、又は該「野村SMA」の文字部分を捉えて取引に資するものというのが相当であって、「ノムラエスエムエーエグゼクティブラップ」の称呼又は「ノムラエスエムエー」の称呼を生ずるものである。」

 

 として、「エグゼクティブラップ」の称呼は生じないから、非類似の商標とされました。

 

 

 

 今回は、商標の一部が共通する場合の類似が問題となりました。

 

 一部が共通していても、その部分だけが認識されるようなことがなければ、非類似となります。

 

 統一感を持たせることが、真似とは言わせないツボになります。

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