ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5595547号:「ウェーブストーン」、指定商品:第19類の各商品は、

 

(1)登録第4663780号商標:「ストーンウェイブ」

 

(2)登録第4683690号商標:「ストーンウェイブ」及び「STONE WAVE」の各文字を上下二段に表してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2012-026011号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「構成各文字は、同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。」

 

「そして、本願商標は、その構成文字から生じる「ウェーブストーン」の称呼も格別冗長ではなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、また、特定の意味を有する語でもないことから、その構成文字全体をもって特定の観念を有しない一体不可分の造語として認識されるとみるのが相当である。 」

 

 一方、引用商標の

 

「構成各文字は、同じ書体、同じ大きさをもって、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。」

 

 そして、

 

「その構成文字から生じる「ストーンウェイブ」の称呼も格別冗長ではなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、また、特定の意味を有する語でもないことから、それぞれ、構成文字全体をもって特定の観念を有しない一体不可分の造語として認識されるとみるのが相当である。」

 

 そこで、両者を比較すると、

 

「両商標は、その構成に明らかな差異を有するものであるから、外観において、両者は相紛れるおそれはないものである。」

 

「次に、称呼においてみるに、本願商標から生じる「ウェーブストーン」の称呼と、引用商標から生じる「ストーンウェイブ」の称呼とは、その音構成が著しく異なり、相紛れるおそれはなく十分に区別し得るものである。」

 

「また、両者は、特定の観念を生じない造語として認識されるものであるから、観念について比較することはできず、観念上相紛れる余地はないものである。」

 

 として、外観、称呼及び観念のいずれの点よりみても相紛らわしいことはないので非類似の商標であるとされました。

 

 

 

 

 今回は、結合商標の類否が問題となりました。

 

 今回の商標は、『波』の意味を有する『ウェーブ』、『ウェイブ』又は『WAVE』と『石』の意味を有する『ストーン』又は『STONE』の各文字が単に入れ替わっているにすぎません。

 

 このような場合でも、取引者、需要者が時と処を異にしてこれに接するときに、称呼及び観念において相紛らわしいかどうか、が問題となりました。

 

 文字が単に入れ替わっているだけでも、商品等との関係で各文字に識別性があれば、真似とは言わせないことができます。

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