ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5535651号:「コロッチャ」、指定商品:第29類「チャーシュー入りコロッケ」は、

 

(1)登録第4751072号商標:

 

 「CORO・CHA」(「A」の文字には長音記号が付されて
いる。以下同じ。)の文字と「コロ・チャー」の文字を上下二段に
横書きした構成

 

(2)登録第5369212号商標:「コロ・チャー」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2012-006831号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「その構成文字に相応して、「コロッチャ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。」

 

 一方、各引用商標の

 

「各文字部分は、それぞれ中点「・」を介して接合されているとしても、全体の構成は、同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体的に表されているものであり、また、その構成全体から生ずる「コロチャー」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。」

 

「そうとすれば、引用商標は、各構成文字に相応して、「コロチャー」の称呼を生ずるというのが相当であり、特定の観念は生じないものである。」

 

 そこで両者の類否を検討すると、

 

「その構成文字数及びその構成文字を異にするため、外観においては区別し得るものであり、また、両商標からは特定の観念を生じないものであるから観念については比較することができない。」

 

「称呼については、本願商標からは「コロッチャ」の称呼が、引用商標からは「コロチャー」の称呼が生ずるものであって、両者は、「ロ」の音に伴う促音及び語尾における長音の有無に差異を有するところ、」

 

「本願商標は促音を伴うことから、その前後の「ロ」と「チャ」の音が明瞭に称呼されるのに対し、引用商標は、語尾に長音を伴うことより、一気一連に称呼されるものであり、また、共に3音と4音という短い音構成であることからすれば、それぞれの差異が両称呼に及ぼす影響は決して小さいものとはいえない。」

 

「そうすると、両称呼を一連に称呼した場合には、その音調、音感が異なり、相紛れるおそれはないものというべきである。」

 

 として、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標であるとされました。

 

 

 今回は、促音や長音がある場合の類否が問題となりました。

 

 このような場合、両称呼を一連に称呼してみて、その音調、音感が異なるかどうか、で紛らわしさが判断されます。

 

 短い音構成であれば、このような音を挿入してみることも真似とは言わせないツボになります。

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