登録第6160918号: 「Kai・la」、指定商品・役務:第9、25、27類の各商品の商標は、
登録第5469718号商標:「KYLA」
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2019-003652)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「「Kai」と「la」の欧文字が、それぞれ「海」と「太陽」の意味を有するハワイ語であるとしても、我が国において一般に馴染みのある語と認め難いことから、この文字に接する取引者、需要者が直ちに上記意味合いを理解するとはいい難く、「Kai・la」の文字全体をもって不可分一体の造語として認識するのが自然である。」
そして、
「その構成文字に相応して、「カイラ」の称呼が生じるというのが相当である。」
以上によれば、
「「カイラ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。」
一方、引用商標の
「欧文字は一般の辞書等には掲載がないものであり、直ちにその読みが特定できないものであるが、そのような場合、一般に、英語風の読み又はローマ字風の読みがされているものである。」
そして、
「その構成中「KY」の文字部分については、「sky」を「スカイ」、「inky」を「インキ」と読むことから類推し、「カイ」又は「キ」と読まれるとみるのが相当であって、引用商標の構成文字全体からは、「カイラ」又は「キラ」の称呼が生じるものと認められる。」
以上によれば、
「引用商標からは、「カイラ」又は「キラ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。」
そこで両者を対比すると、
「、本願商標は、「Kai・la」の欧文字5文字と中黒(「・」)からなるものであり、引用商標は、「KYLA」の欧文字4文字からなるものであるところ、外観において、明確に区別することができるものである。」
また、
「本願商標から生じる「カイラ」の称呼と、引用商標から生じる複数の「カイラ」又は「キラ」の称呼について比較すると、互いに「カイラ」の称呼を共通にする場合と、構成音数等の違いにより容易に聴別できる場合があるといえる。」
さらに、両者は、
「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することができない。」
したがって、
「引用商標の複数ある称呼の中の1つである「カイラ」の称呼を共通にする場合があるとしても、外観においては、明確に区別し得るものであり、また、観念においても相紛れるおそれがあるとはいえないから、」
非類似であるとされました。
今回は、称呼の一つが共通する商標の類否が問題となりました。
称呼の一つが共通しても、外観や観念で識別できれば非類似となる場合があります。
見た目や意味などでも違いを作ることが真似とは言わせないツボになります。
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