ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5991094号:「TOYO FRAME」、指定商品:第12類の「自転車並びにそれらの部品及び附属品」の商標は、

 

(1)登録第508724号商標:

 

(2)登録第4764606豪商標:

 

 何れも「東洋」,「灯用」,「当用」,「盗用」,「登用」等の語の読みを表す欧文字からなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2017-007557号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「「TOYO」と「FRAME」の間に1文字分のスペースを有するものの,各構成文字は同じ書体及び同じ大きさの欧文字のみからなるものであり,外観上,まとまりよく一体的に表してなるものである。そして,本願商標の構成文字全体から生ずる「トーヨーフレーム」又は「トヨフレーム」の称呼は,格別冗長というべきものでもなく,よどみなく一連に称呼し得るといえる。」

 

 そして、

 

「その構成中,「TOYO」の欧文字部分は,例えば「大辞林第三版」(株式会社三省堂発行)において,「東洋」,「灯用」,「当用」,「盗用」,「登用」等の語の読みを表す欧文字であるところ,中でも「東洋」の語が一般に親しまれていることを考慮すると,当該文字部分より,「ユーラシア大陸の東部の地域。アジアの地方。」の意味を有するものである。」

 

 そうすると、

 

「たとえ,その構成中の「FRAME」の欧文字が,「物の周囲を囲む物。枠。縁。額縁。建造物・機械などの,骨組み・枠組み。」の意味のほか,「自転車・自動車などの車体枠」の意味を有するとしても,かかる構成においては,該文字部分が商品の品質等を直接的に表示するものとして認識されるとはいい難く,また,殊更該文字部分を捨象し,その構成中の「TOYO」の文字部分のみをもって取引に資するとみるべき特段の事情も見いだし得ない。」

 

 してみれば、

 

「その構成全体をもって,特定の語義を有することのない語句を表したものとして認識されるというのが相当であるから,その構成全体に相応する「トーヨーフレーム」又は「トヨフレーム」の称呼のみを生じ,特定の観念を生ずることのないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「「東洋」,「灯用」,「当用」,「盗用」,「登用」等の語の読みを表す欧文字であるところ,中でも「東洋」の語が一般に親しまれていることを考慮すると,当該文字部分より,「ユーラシア大陸の東部の地域。アジアの地方。」の観念を生じ,「トーヨー」又は「トヨ」の称呼を生ずるものである。」

 

 そこで両者を比較すると、外観は、

 

「「FRAME」の語の有無において著しい差異があるから,両商標は明確に判別されるものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標からは,「トーヨーフレーム」及び「トヨフレーム」の称呼を,引用商標からは「トーヨー」及び「トヨ」の称呼を生ずるものであるところ,両者は,その音構成において明らかな差異を有するものであって,明確に聴別されるものである。」

 

 観念は、

 

「本願商標は,構成全体からは特定の観念を生じないが,引用商標は「TOYO」の文字部分に相応して「ユーラシア大陸の東部の地域。アジアの地方。」の観念が生じるものであり,観念上,紛れるおそれはないものである。」

 

 として、外観,称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似の商標とされました。

 

 

 

 今回は、構成の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 一部が共通していても、全体として一体感があれば分離して認識されることはないとして非類似となることがあります。

 

 一体感をもたせることが真似とは言わせないツボになります。

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