ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5932154号:「CLAVE」、指定商品・役務:第10類の「医療用チューブのコネクタ,静脈注射に用いる医療用コネクタ,その他の医療用機械器具」の商標は、

 

(1)登録第2672971号商標:

 

 ローマ字「Z」を図案化したと看取される部分(以下「図案化Z部分」という。)の右側に、やや図案化した「クレーブ」の片仮名(以下「片仮名部分」という。)を図案化Z部分よりやや小さく表してなる構成

 

(2)登録第5109020号商標:

 

 細い四角枠線内に、引用商標1と同様の図案化Z部分と、その右側に「CLAVE」の欧文字(以下「欧文字部分」という。)を図案化Z部分よりやや小さく表してなる構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-015406号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「文字は、「クラベス((カリブで)音楽やダンスの伴奏に用いる木の棒の打楽器)」等の意味合いを有する英語であるが、該文字は、一般に親しまれた英語とはいい難いことから、本願商標は、特定の意味合いを想起させず、特定の観念を生じないというべきである。」

 

 そして、

 

「特定の意味合いを想起しない欧文字からなる場合、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるから、本願商標は、その構成文字に相応して「クレーブ」の称呼を生じるものである。」

 

 一方、引用商標1の

 

「片仮名部分が図案化Z部分に比較して、やや小さく表されているものの、これらが近接して配置されていることから、視覚上、その構成全体がまとまりある一体的なものとして看取、把握されるというのが相当であり、また、商標全体から生ずる「ゼットクレーブ」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものである。」

 

 そして、

 

「片仮名部分の文字は、辞書に掲載されていない語であるから、特定の意味合いを想起しないものである。」

 

 そうすると、

 

「その構成全体から、「ゼットクレーブ」の称呼のみを生じ、また、特定の観念を生じないというのが相当である。」

 

 また、引用商標2の

 

「ありふれた輪郭にすぎないといえる四角枠線内に表された図案化Z部分と欧文字部分からなる部分についてみると、欧文字部分が図案化Z部分に比較して、やや小さく表されているものの、両部分は、空間を空けずに配置されていることから、視覚上、その構成全体がまとまりよく一体的なものとして看取、把握されるというのが相当であり、」

 

「また、商標全体から生ずる「ゼットクレーブ」の称呼もよどみなく一連に称呼できるものである。」

 

 そして、

 

「欧文字部分の文字は、親しまれた特定の意味合いを想起させないものである。」

 

 そうすると、

 

「要部である図案化Z部分と欧文字部分からなる部分全体に相応した「ゼットクレーブ」の称呼のみを生じ、また、特定の観念を生じないというのが相当である。」

 

 

 そこで、引用商標1の外観と対比すると、

 

「図案化Z部分の有無及び文字種の違いという、その構成において明らかな差異を有することからすれば、両商標は、外観上、容易に区別し得るものである。」

 

 引用商標2の外観とは、

 

「本願商標と引用商標2の要部である図案化Z部分と欧文字部分からなる部分の構成において、「CLAVE」の文字を共通するとしても、図案化Z部分の有無という明らかな差異を有することからすれば、両商標は、外観上、容易に区別し得るものといえる。」

 

 次に、称呼については、

 

「本願商標から生じる「クレーブ」の称呼と引用商標から生じる「ゼットクレーブ」の称呼は、称呼において重要な位置を占める語頭において「ゼット」の音の有無という顕著な差異を有するから、両称呼は明確に聴別し得るものである。」

 

 さらに、観念については、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、両商標が相紛れるおそれはない。」

 

 として、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれのない非類似とされました。

 

 

 今回は、外観や称呼の一部が共通する商標の類似が問題となりました。

 

 共通する部分があっても全体として明確に区別できれば非類似となる場合もあります。

 

 全体としてできるだけ異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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