登録第5901416号:「KUSCHEL J」、指定商品・役務:第3類の各商品の商標は、
登録第5659340号:「Cushel」
と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。
そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-011096号)が請求されました。
では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。
まず、この商標の
「「KUSCHEL」の文字と「J」の文字との間に1文字分の空白があるものの、殊更「KUSCHEL」と「J」とに分けて観察される態様であるとまではいえず、むしろ、各文字は、同じ書体、同じ大きさで、まとまりよく一体的に表されているものといえる。」
「また、「KUSCHEL」の文字は、辞書等に掲載がなく、特定の意味を有する語として知られているものでもないから、我が国で親しまれた英語読みに倣って「クシェル」と称呼されるとみるのが相当である。」
そうすると、
「その構成文字全体から「クシェルジェイ」の称呼を生じるものであり、その称呼はよどみなく一連に称呼し得るものである。」
よって、
「これに接する取引者、需要者は、殊更に「KUSCHEL」の文字部分のみに着目することなく、「KUSCHEL J」の構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識し、把握するとみるのが自然である。」
また、
「「KUSCHEL」の文字部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるべき特段の事情は見いだせない。」
として非類似の商標とされました。
今回は、一部の構成が共通する商標の類似が問題となりました。
共通する部分が抽出されて認識されないように一体構成とすることが真似とは言わせないツボになります。
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