ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5897057号:「Asobii」の欧文字と「アソビー」の片仮名とを,いずれも同じ大きさ,同じ書体をもって二段に書してなる構成、指定商品・役務:第28類の「おもちゃ,人形,運動用具」の商標は、

 

 登録第5689940号:「ASOBi KIDS」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2016-007301号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「下段の「アソビー」の片仮名が上段の「Asobii」の欧文字の読みを特定したものと理解し得るものである。また,両文字はいずれも辞書等に記載のみられない語であるから,直ちに特定の観念を生じない一種の造語として認識されるというのが相当である。」

 

 そうすると,

 

「その構成文字に相応して「アソビー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「前半の「ASOBi」の欧文字部分は,辞書等に記載のみられない語であるから,特定の観念を生じない一種の造語として認識されるものであるのに対し,」

 

「後半の「KIDS」の欧文字部分は,「子ども達」等の意味を有する英語として,我が国において慣れ親しまれたものであって,引用商標の指定商品を取り扱う業界においては,子ども用の商品を表す語として使用されていることから,自他商品の識別力がないか弱い部分であるとみるのが相当であるから,該文字部分のみからは,商品の出所識別標識としての称呼を生じないものと認められる。」

 

 してみれば,

 

「その構成文字全体に相応して「アソビキッズ」の称呼を生じ,「ASOBi」の文字部分に相応して「アソビ」の称呼をも生じるものであり,いずれの構成からも特定の観念を生じないものとみるのが相当である。」

 

 そこで、両者を対比すると、

 

「本願商標は,欧文字及び片仮名を二段に書してなるのに対し,引用商標及びその要部である「ASOBi」の欧文字部分は,欧文字を標準文字により表してなるものであるから,それぞれの構成態様が相違し,外観において明らかに異なるものである。」

 

 次に,称呼においては,

 

「本願商標から生じる「アソビー」の称呼と,引用商標全体から生じる「アソビキッズ」の称呼とは,前者が4音,後者が6音であって,その構成音数が相違するほか,「キッズ」の音の有無という明白な差異を有することから,それぞれ,明確に区別し得るものである。」

 

 また,

 

「本願商標から生じる「アソビー」の称呼と,引用商標の「ASOBi」の欧文字部分から生じる「アソビ」の称呼とは,語尾における長音の有無に差異を有するところ,両者は3音ないし4音という,いずれも比較的短い音構成からなるものであるから,上記の差異音が称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず,それぞれを称呼するときは,語調,語感が相違し,互いに聞き誤るおそれはないというべきである。」

 

 さらに,観念については,

 

「「ASOBi」の欧文字部分からは,共に特定の観念を生じないものであるから,両商標は,観念において比較することができず,類似するとはいえないものである。」

 

 してみれば,

 

「称呼において聞き誤るおそれはなく,外観においても明確に区別でき,観念においても紛れるおそれはないことから,外観,称呼及び観念によって取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等により総合的に判断すると,両商標は,それぞれ,商品の出所について混同を生ずるおそれのない非類似の商標である。」

 

 とされました。

 

 

 今回は、称呼の一部が共通する場合の類似が問題となりました。

 

 一部が共通していても、全体が短い音構成であれば、非類似となる場合があります。

 

 少しでも違う音を含ませることが真似とは言わせないツボになります。

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