ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5795234号:「Klee」、指定商品・役務:第9類、第41類の各商品・役務の商標は、

 

 国際登録第1086365号商標:

 

 上段部分は、人の署名風のもの、下段部分は、「PAUL KLEE」の欧文字を一文字毎に異なる色彩をもって表してなる構成

 

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2015-008117号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の文字は

 

「広辞苑第六版(株式会社岩波書店)には,当該文字について「クレー【Paul Klee】スイス生れのドイツ人画家。」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)との記載が認められる。」

 

「しかしながら,我が国において,前記画家がある程度知られているものとしても,「Klee」の文字が,前記画家の略称であると認識され,前記画家を直ちに想起,認識させるものとはいい難いから,本願商標は,その構成全体をもって特定の意味合いを想起させることのない造語を表したものとして認識されると判断する
のが相当である。」

 

「そうすると,本願商標は,その構成文字に相応して,「クレー」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「上段の図形部分と下段の欧文字部分とが視覚上分離して把握されるものであって,それらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとは認められないから,両部分はそれぞれ独立して自他商品の識別機能を果たし得るものとみるのが相当である。」

 

 そうであれば,

 

「「PAUL KLEE」の欧文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであって,該欧文字部分をもって取引に資されることも決して少なくないと判断するのが相当である。」

 

 そうすると,

 

「その構成中の「PAUL KLEE」の欧文字部分に相応して,「パウルクレー」の称呼を生じ,「画家のパウル・クレー」の観念を生じるものである。」

 

 そこで、両者を対比すると、

 

「それぞれの構成態様に照らし,明らかな差異を有するものであるから,外観上,明確に区別できるものである。」

 

 また、称呼は、

 

「本願商標から生じる「クレー」の称呼と,引用商標から生じる「パウルクレー」の称呼とは,その音数及び音構成が明らかに異なるものであるから、本願商標と引用商標とは、称呼上、明確に聴別し得るものである。」

 

 観念は、本願商標が

 

「特定の観念を有しないものであるから,観念については比較することができず,観念上,類似するとはいえないものである。」

 

 

 として、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはないものであるから、非類似の商標とされました。

 

 

 

 今回は、略称の著名性が問題となりました。

 

 略称と同一であってもその略称が著名でなければ類似とならないこともあります。

 

 著名でないことが真似とは言わせないツボになります。

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