ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5783796号:「cococolor」の欧文字と「ココカラー」の片仮名を上下2段に表してなる構成、指定商品・役務:第9、35、41類の各商品・役務の商標は、

 

(1)登録第4778423号商標:

 

 「株式会社」の漢字と「ここから」の平仮名を一文字分のスペースを介して一連に表してなる

 

(2)登録第4994897号商標:「COCOCARA」

 

(3)登録第4994898号商標:「COCOKARA」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2015-004431号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標の

 

「各文字は、辞書等に載録された成語とは認められず、また、特定の意味合いを有する語として一般に知られたものとも認められないことから、特定の観念は生じないものの、」

 

「その構成中の「color」及び「カラー」文字が、「色」を意味する語として広く一般に親しまれた語であることを踏まえれば、本願商標は、「coco」の文字及び「color」の文字並びに「ココ」の文字及び「カラー」の文字からなるものと看取し得るものである。」

 

 そうすると、

 

「片仮名部分が欧文字部分の読みを特定したものと無理なく認識し得るといえるものであり、その構成文字全体に相応して「ココカラー」の称呼を生ずるものである。」

 

 また、

 

「上記の構成等であることから、「色」に関連した意味合いを想起させるものであり、さらに、3音目以降の「カラー」の部分にアクセントをおいて称呼されるとみるのが相当である。」

 

 

 一方、引用商標1の

 

「構成中の「株式会社」の文字は、会社の種類を表したものであるから、商標の要部となり得る部分は「ここから」の平仮名部分であるというのが相当である。」

 

 そうすると、

 

「「カブシキガイシャココカラ」のほか、「ココカラ」の称呼をも生ずると認められる。」

 

 また、

 

「その構成全体から「ここからという株式会社」の観念を生ずるものであるが、その構成中の「ここから」の平仮名部分からは、特定の観念を生ずることのないものである。」

 

 引用商標2の

 

「文字からは「ココカラ」の称呼を生じ、また、直ちに特定の観念を生じないとみるのが相当である。」

 

 引用商標3の

 

「文字からは「ココカラ」の称呼を生じ、また、直ちに特定の観念を生じないとみるのが相当である。」

 

 そこで、まず、引用商標1と対比すると、

 

「その構成態様が著しく相違するものであるから、外観上、判然と区別し得るものである。」

 

 観念は、

 

「本願商標は、特定の観念を生じないものの、「色」に関連する意味合いを想起させるのに対し、引用商標1は、「ここからという株式会社」の観念を生ずるか、又は、特定の観念を生じないものであるから、観念上相紛れるおそれはないものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標は、「ココカラー」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標1は、「カブシキギャイシャココカラ」及び「ココカラ」の称呼を生ずるものであるところ、「ココカラー」と「カブシキガイシャココカラ」の称呼は、その音数を異にするものであるから、両者は称呼上明確に聴別し得るものである。」

 

 また、「ココカラー」と「ココカラ」の称呼は、

 

「前者は「カラー」の部分にアクセントをおき、語尾音において伸びを持って発音されるのに対し、後者は一気一連に、語尾音を切りよく止める形で発音されるため、両者は、全体の語感、語調が異なり、聴別し得るものである。 」

 

 次に、引用商標2,3と対比すると、

 

「「coco(COCO)」の欧文字の綴りを共通にするものの、大文字と小文字、二段書きと一段書き及び「color」と「CARA」又は「KARA」の差異を有するものであるから、外観上区別し得るものである。」

 

 観念は、

 

「本願商標は、特定の観念を生じないものの、「色」に関連する意味合いを想起させるのに対し、引用商標2及び3は、特定の観念を生ずるものではないから、観念上相紛れるおそれはないものである。」

 

 称呼は、

 

「本願商標は、「ココカラー」の称呼を生ずるものであるのに対し、引用商標2及び3は、「ココカラ」の称呼を生ずるものであるところ、」

 

「ココカラー」と「ココカラ」の称呼は、

 

「両者は、全体の語感、語調が異なり、称呼上聴別し得るものである。」

 

 

 として、非類似の商標とされました。

 

 

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★事例からわかったネーミングのツボ♪
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 今回は、一部の構成が共通する商標の類否が問題となりました。

 

 一部の構成が共通する商標であっても、全体を総合的に判断してこれに接した人に混同が生じなければ非類似となります。

 

 称呼や観念、外観を異ならせることが真似とは言わせないツボになります。

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