ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5780084号:「関喜」、指定商品・役務:第5類の「サプリメント」の商標は、

 

 登録第4280337号商標:「肝喜」

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2014-014154号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「その構成文字に相応して「カンキ」の称呼を生じるものであり、その構成文字は辞書等に掲載された成語とはいえないものであるから、一種の造語と認められ、特定の観念を生じないものである。」

 

 

 一方、引用商標は、

 

「「肝喜」の漢字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して「カンキ」の称呼が生じるものであり、その構成文字は辞書等に掲載された成語とはいえないものであるから、一種の造語と認められ、特定の観念を生じないものである。」

 

 

 ここで両者を比較すると、外観は、

 

「いずれも、漢字2文字と簡潔な構成からなるものであり、看者をして容易にその構成文字を把握し得るものといえる。そして、本願商標と引用商標は、2文字目は「喜」の漢字で共通しているが、」

 

「1文字目が前者は「関」の漢字であるのに対し、後者は「肝」の漢字であって、2文字から成る簡潔な構成のうちの1文字が著しく異なるものであるから、両商標は、外観上、明確に区別できるものである。」

 

 称呼は、

 

「いずれも「カンキ」の称呼が生じるものである。」

 

 観念は、

 

「いずれも、全体としては、特定の観念を生じないものであるが、両商標を構成する各漢字はそれぞれ平易で常用される漢字であって、一般人にとってその意味合いを容易に想起し得るものといえる。」

 

「そうすると、本願商標は、「関」の漢字(通行人や貨物の出入りを取り締まる所。つなぎめ。)と「喜」の漢字(よろこび。七十七歳。)によって、また、引用商標は、「肝」の漢字(きも。大切な所。)と「喜」の漢字(よろこび。七十七歳。)によって構成される程度のことは容易に連想し得るものであり、その漢字の意味合いが異なるものといえるから、両商標は、観念上、相紛れるおそれはないというのが相当である。」

 

 ここで、指定商品である健康食品は、

 

「一般消費者にとって、自己の健康にかかわる重要なものであるから、その商標が当該商品を示すものとして周知となっているなどといった特段の事情が認められない限り、現物を手にとって慎重に選ぶのが通常であり、単に称呼のみで購入することはまれと考えられるものである。」

 

 として、

 

「称呼を共通にするものの、外観及び観念においては、上述のとおり相違するものであるから、いわゆる健康食品の取引の実状を踏まえ、これらの外観、称呼及び観念を総合的に考察すると、本願商標と引用商標とは、相紛れるおそれがない非類似」

 

 の商標とされました。

 

 

 

 今回は、称呼が同一の場合の類否が問題となりました。

 

 称呼が同一の場合でも、外観や観念が大きく異なる場合、商品分野によっては非類似とされる場合があります。

 

 指定商品の特性を考慮することが真似とは言わせないツボになります。

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