ブランド構築に必要なネーミング・ロゴの検証

登録第5765205号:「G Watch」、指定商品・役務:第14類の各商品の商標は、

 

 登録第5361516号商標:

 

 大きく書された「Z」と看取される欧文字の底辺の線を左から右に引き延ばして跳ね上げ、その線と「Z」の斜線部分により構成される鋭角の空間部分に筆記体風に書した「watch」の欧文字を配した構成

 

 と類似する、とされて一旦は登録が認められませんでした。

 

 そこで、登録が認められないのはおかしい、として拒絶査定不服の審判(不服2014-024170号)が請求されました。

 

 では、審判でどんなやりとりがあったか紹介します。

 

 まず、この商標は

 

「その構成に照らし「ジーウォッチ」の称呼を生じ、特定の観念は生じないというべきである。」

 

 一方、引用商標は、

 

「底辺の跳ね上げた部分が「watch」の文字を抱え込むように配置され、また、該文字中の「h」の欧文字の上へ引き延ばした縦線上部が右下方向へ垂れ下がり、上記の「Z」の跳ね上げた部分へと繋がるような印象を与えることも相まって、視覚上、その構成全体がまとまりある一体的なものとして看取、把握されるとみる
のが相当である。」

 

 そして、

 

「その構成中の「watch」の欧文字は、「時計」の意味を有し、「ウォッチ」と表音される英語として広く一般に親しまれたものである。また、その構成中の「Z」の欧文字は、例えば、一般的な国語辞書である「広辞苑第六版」(株式会社岩波書店発行)において、「ゼット【Z・z】」として項目が設けられていることからも明らかなように、日本語においては「ゼット」と称呼されるのが一般的であるといえる。」

 

 そうすると、

 

「「ゼットウォッチ」の称呼が生じ、特定の観念は生じないというのが相当である。」

 

 そこで、両者の外観を比較すると、

 

「両商標は、外観上、容易に区別し得るものといえる。」

 

 称呼は、

 

「称呼の識別上において重要な位置を占める語頭において「ジー」と「ゼット」の音の顕著な差異を有するから、両称呼は明確に聴別し得るものである。」

 

 観念は、

 

「いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、両商標が相紛れるおそれはない。」

 

 として、非類似の商標とみるのが相当であるとされました。

 

 

 今回は、欧文字商標の類否が問題となりました。

 

 欧文字の造語の場合、日本での一般的な英語読みで称呼されるとして類否判断されます。

 

 何が一般的な発音なのかを配慮することが、真似とは言わせないツボになります。

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